EB44次会議について
呂学都
科学技術部
2008年12月2日
ソース:Clean Development Mechanism in China (原文は中国語)
2008年11月24日~28日、EB44会議がポーランドのポズナン市で開催された。11月24日~25日は非公式会議、26日~28日は公式会議であった。今回の会議では、前回の会議でUnder Review されたプロジェクト、VVM、Common practiceの簡略化、委任委員会のワーク報告、DOEに対する審査、方法論パネルやスモールプロジェクト方法論パネル及び植林ワーキンググループの報告、承認される方法論などについて討論が行われた。
プロジェクトの審査やDOEに関する具体的な討論が非常に困難で時間もかかったため、会議は連日遅くまで続いた。基本的には朝9時から夜10時以降へと続いた。しかし、まだ一部の内容については討論する時間がなくなったため、次回の会議で議論するしかない。
以下が会議の主な内容及び重要なポイントのまとめである。
1. DOEの委任
今回の会議で、最も重要な議題は二つのDOEであるDNV及びJCIについて審査し、調査状況の報告が出されたことである。委任委員会から設立した調査グループの調査によって、この二つのDOEは5箇所にのDOE基準を違反したことがわかった。従って調査グループは二つのDOEに対して処罰意見を提出した。今回の会議で、EBが二つの機構の責任者をEB会議の現場に呼び出し、調査及びヒアリングを行った。実際の質問や調査の状況と委任委員会の意見により、EBが丸一日討論した結果、DNVのDOE資格を半年間取り上げることを決定した。この半年以内では、DNVは五つの過ちを正さなければならない。DNVはその修正箇所早く改正すれば、また、EBがその実況を調査し、EBの要求を満たしていれば、処罰をすぐ解除し、DNVは改めて完全なDOE資格を得ることができる。またJCIに対しては、会議での報告と陳述にて、基本的に改正すべき要求事項を満たした。しかし、委任委員会から設立した機構が、JCIの改正措置を詳しく審査してから、処罰を下すかどうかを決める方針となった。そのため、今回のことはJCIのValidationやVerificationなどの活動には影響がない。
この決定はDNVが今展開しているValidationとVerificationに影響があるであろう。ところが、その影響は限られている。あくまでも資格の取り上げは一時的なもので、改正する時間は一ヶ月もかからないかもしれない。改正後、EBに通知し、EBはその結果を再度審査する。今の状況をみると、もしDNVが積極的に対応し始めると、早ければ次回の会議(2009年2月)、もしくはその前にこの処罰が取り消されることになるだろう。また、正常な新規プロジェクト登録要請手続や新規プロジェクト登録要請手続などを実施できないことを除いて、VerificationとCertificationなどに関する準備作業を続いて行うことができる。ただEBに提出する時間については待たなければならない。JCIは今回の会議で、過ちを正す行動や措置を述べ、処罰の目的が達成されたと思われたため、続いての処罰が取られなかった。今回の結果は、「厳重警告」と理解できるだろう。
EBはやはり誠実なDOEを好む。これは正に国連であり、誰も怖がることはない。ほかのDOEもこの事件から経験と教訓を吸収し、EBの要求に従い、ValidationとVerification作業をまじめに行ってもらいたい。
委任委員会は、DOE委任基準を提出した。この文書は長いため、EBメンバーは会議後に真摯に研究し、次回の会議でまた審査することになった。EBは委任委員会に次回の会議で簡略で、且つ迅速な委任プロセスを提案させたい。
2. VVMについて
今回の会議でVVMが順調に批准された。今回のものがVersion. 1である。今後、継続的に修正を行っていく予定である。EBはDOEにこのVVMを直ちに採用してValidationとVerificationを実施することを要求した。EBは如何に関連セミナー活動を行い、DOEにこのVVMを把握させるかということを考えている。このほかに、EBはDOE委任基準も同時に編成している。
VVMはCDMプロジェクト開発、Validation、Verification、プロジェクト登録などに関する最も基本的な文書である。そのため、国内のCDM専門家や政府担当者がこのVVMをまじめに勉強し、特にPDD開発や技術サービス提供者、DOE申請機構に勉強して頂きたい。
3.方法論について
今回の会議で、二つの新しい方法論が承認された。その一つは農業廃棄物が複数サイトから処理するシステムに関する方法論(AM0073)であり、国内の多くのプロジェクトに適用可能性がある。
とくに指摘すべきなのが、わが国が修正の要求を出したAM0025方法論は、ゴミ焼却をする際、化石燃料の比率は20%以下にならなくてはいけないという制限条項を提出した。しかし、このプロジェクトがこの要求に従うことは難しい。この方法論の計算式はすでに増加した化石燃料の燃焼について十分考慮したため、この条件はまったく意味がないと思われる。そのため、私はこの制限条項を取り消し、或は修正すると要求した。討論した結果、最終的に、この条件を20%から50%に緩めることが決定された。
会議では、「First of its kind」 指針についても議論した。つまり、業界内の初プロジェクトであれば、Common practiceをしなくてもよろしい。しかし、討論する時間が限られているため、この問題は次回に討論するしかない。
また、会議では植林ワーキンググループの報告についても討論した。二つの現行方法論の簡略化方案を承認した。スモールプロジェクト方法論については、新しい方法論AMS III.KとAMS.II. Cを承認し、いくつかの方法論も修正できた。
4.我が国のプロジェクトにおける審査の結果
(1) Request for reviewされたプロジェクトに対する審査:
今回、我が国の14件のプロジェクトが、登録申請した際にRequest for reviewされた。そして審査後、6件のプロジェクトが条件付登録になった。この6件のプロジェクトは、EB報告に基づき、必要な情報、或は証拠を提供しなければならないこととなった。修正されるものが今後審査をパスでき、再審査にならないよう、関連する機関やDOEは要求に従って、関連書類・証拠を真剣に準備しなければならない。また、8件のプロジェクトが再審査に入ったのは、大変残念なことである。この8件のプロジェクトの問題は比較的に回答し易い。その中で、再生可能なエネルギー類のプロジェクト(風力発電と水力発電)の主要な問題はCommon practiceの回答が良くないことである。プロジェクトの発電ユニット容量の範囲は適合で、プロジェクトの時間も適合ではなければならない。通常、Common practiceにおけるユニット容量は35~45%の範囲内で、時間は一般的に2002年国家電力体制改革前後を臨界点だと考える。
(2)再審査プロジェクトの状況
わが国の7件のプロジェクトが、前回に再審査に入った。その結果は、6件のプロジェクトが条件付の登録、1件のプロジェクトが非常に残念なことに、登録できなかった。登録できなかったプロジェクトの主な問題は、水力発電の計画発電量とプロジェクトで実際にグリットに売る電力量数値の選択の違いを混淆していることである。


