EB会議 レポート

EB43会議について

学都 

科学技術部

20081025

ソース:Clean Development Mechanism in China (原文は中国語)

 

 

  20081020日~24日、EB43会議がチリの首都サンデエゴで開催された。1020日~21日は非公式会議で、22日~24日は公式会議であった。今回の会議では、前回会議でUnder Review されたプロジェクト、VVMDOE委任及び委任手続き、EBの締約国会議への報告、CDMプロジェクトの分布がアンバランスである問題などについて議論された。特にプロジェクトの審査、VVM、締約国会議報告及びCDMプロジェクト分布問題についての討論が非常に困難で時間もかかったため、会議は連日遅くまで続いた。基本的には朝9時から夜10時以降も続き、最後の日は深夜2時までかかりやっとすべての議題を消化した。

 

以下が会議の主な内容及び重要なポイントのまとめである。

 

1.  DOEの委任

 

 前回の会議決定で、委任委員会はDOE委任を簡略化及び加速化するアドバイスを提出した。今回の会議で、委任委員会はEBを満足させるような「委任を加速させるアドバイス」を出していないため、次回の会議で続けてこの法案のドラフトについて討論し完成させ、EB44会議で審議させるように提案した。それと共に、新しいDOEの認定政策が2009年の第一次EB会議後より実施される。この決定により、現在のDOEの新たな認定は現場審査を行わなくてもいい。書類審査だけで、元の認定の範囲がもらえる。新しく申請した機構は、必要な現場審査がなされて資格を得たら、具体的なvalidationができるようになる。この活動は委任委員会の協力で手配してもいい。一旦、実際にvalidationが首尾よく行われて、委任委員会が認定することに同意し、かつEBによって批准されたら、後は全てのvalidation分野のvalidation資格がもらえる。これによりプロセスは大きく短縮できる。14の新しい機構がDOEになる予定であるが、そのうちの二つは中国の機構であるとUNFCCC事務局は予測している。

 会議では、DOEに関する他の事項についても議論が行われた。例えば、DOEの業務の激励と懲罰規制、DOEvalidationを行う期間の制限、EBに決定された現地調査を行うDOE名簿の公開などが議論された。この一連の要求は、DOEEBの決定に従い、正確かつ確実に自らの役割を果たすことを促進するためのものである。

 

2.  VVMについて

 

 今回の会議で二日間を費やしてVVMについて議論し、VVMの内容の申請が終わった。この公文書は非常に長く、その影響力が大きいため、会議ではその内容の整合性、間違いがないか、改善すべきところがあるかなど、更なる確認を行うために、EB委員達に時間を別に確保しておいた。ただ、原則では、既に同意された内容については新らたに議論されななった。次回の会議では、この公文書が正式に批准されることになる。国内CDMの専門家と政府関係者に、特にこのVVMをしっかりと読んで頂きたい。特に、PDDの開発と技術支援、DOEを申請する機構があげられる。このVVMCDM開発、プロジェクトの有効化審査、CERsの検証・認証、CERsの発行に関する基本的な公文書である。

 

3.  プロジェクトの公開手続きの改定

 

EBが多くの関係者から質問されたことがある。それは「あるプロジェクトについて新しい方法論及び旧方法論が適用される時、一部に新しい方法論の内容が使われる。このプロジェクトは既に公開されたが、新たに公開することが必要であるかどうか」という問題である。前回の会議ですでにこの問題について議論し、その結果については私もネット上で公表した。今回の会議でこの規則に対して徹底的に修正・改善が行われた。その規定は以下になる。「もしこのプロジェクトがすでに公開されたら、その方法論が再び公開すべきと要求していない限り、新しい方法論が使われていても、再度公開しなくてよい。また、新バージョン方法論の部分的な内容を利用した旧バージョン方法論の場合、再び公開する必要もない。」この決定のロジックは、公開されるのがプロジェクトであり、方法論ではないということだ。方法論のバージョンが修正されても、プロジェクトに実質的な影響がないため、再び公開する意味がないのである。EBの具体的な内容はEB43次会議レポート第42段落及び付属資料12の第6段落にある。

 

4.  締約国への会議報告

 

EBの締約国への報告は、EBの一年間の業務状況及びEBに業務指導を行うための重要かつ基礎的なものである。EBの各会議報告には、基本的に過去一年間EBが得た重大な業績、さらなる業務計画や予算などが盛り込まれる。しかし、基本的に存在する実際の問題を報告していない。私は、この手法に批判の姿勢を示した。CDM運営システムに重大な問題があるのだ。例えば、プロジェクトの検証・認証はなぜこんなに長いのか?なぜDOE認定はこんなに長いのか?プロジェクトが自動的に登録される比率がこんなに低いのはなぜか?等々である。今CDMシステムは大きな問題を抱えている。しかも、これらの問題はEB自身では解決できない問題である。そうであれば、なぜ締約国会議に報告しないのだろうか。激しく討論した結果、締約国会議にEBが今直面している取り組みを報告し、EBはこれらの取り組みに応対できる活動が既に始まったのだが、締約国会議にも指導や意見を求めている。

 

5.  CDMプロジェクト分布問題

 

 現在、中国、インド、ブラジル、メキシコ、マレーシア、南アフリカ、韓国、インドネシア、チリなどの国が登録済みCDMプロジェクトの多くを占めている。その他の多くの国はまだ一つも登録されたプロジェクトがない。CDMが出始めた時、多くの国はこれこそ資金と技術を獲得するチャンスだと大喜びをし、大きな期待があった。しかし、何年か経って、CDMプロジェクトの影さえ見られなくて、最初の期待は失望に変わり、政治問題にもなった。近年の締約国会議では、アフリカ、後発発展途上国や島嶼国など、どの国もCDMプロジェクトの発展を推進したいと表明した。しかし、CDM自体は市場メカニズムであり、EBは強制的に、ある機構・ある国でCDMプロジェクトを実施させることができない。従って、締約国会議はEBCDMプロジェクト分布問題の解決方法を提出することを要求した。今回の会議でも、EBCDMプロジェクトのバランス的な分布を促進する「技術的な提案」、「開発方法論」、「技術育成」、「先進国にこれらの国のプロジェクトを多く購入することを奨励する」などについて討論した。これらの措置を提出する論点は、今でも登録済みプロジェクトが5つ以下の、アフリカ、後発発展途上国や島嶼国である。

 

6. 我が国のプロジェクトにおける審査の結果

 

(一)     Request for reviewされたプロジェクトに対する審査:

  今回、我が国の12件のプロジェクトが、登録申請した際にRequest for reviewされた。そして審査後、1件のN2Oプロジェクトが登録された。また、4件のプロジェクトが条件付登録になり、この4件のプロジェクトにおける関連のPDD、及びvalidation報告書の再提出が求められることになった。そして、EB報告に基づき、必要な情報、或は証拠を提供しなければならないこととなった。修正されるものが今後審査をパスでき、再審査にならないよう、関連の機関やDOEは要求に従って、関連の書類・証拠を真剣に準備しなければならない。また、7件のプロジェクトが再審査に入ったのは、大変残念なことである。この7件のプロジェクトは、以下三種類に分類できる(1)小規模の水力発電プロジェクト、(2)鋼鉄所での廃熱発電プロジェクト、(3)LNG発電プロジェクト。である。再審査に入った主な問題点は2つあり、私が前回のEB会議レポートで特に論述したが、ここで再び簡単に説明しよう:

 1.ACM0004方法論を応用してベースラインを選ぶ際に、プロジェクト期間内に固定の電力価格しか考慮しなかったことである。固定電気価格を適用するのは合理的か否かを分析することはUnder Reviewにて要求される事柄である。もし将来の電力価格が予測できない場合、その理由を説明しなければならないのだ。回答する際は、価格の歴史的な変化、未来への合理的な予測を分析の上、同時に人件費、インフレ率の変更なども考慮する必要があり、比較分析をするとより合理的である。

2.発電してグリッドに売電するプロジェクト(ACM0002方法論のアプリケーション)にて投資分析の際、プロジェクトライフサイクルの中では、統一の電力価格を採用する。EBはなぜ電力価格の変化を考慮しなくて、固定の電力価格を採用するのかに関しての説明が求めてくる。その主な原因は、グリッド電力価格が上がる場合、プロジェクトIRRはベンチマーク収益率をオーバーする可能性があり、当該プロジェクトは追加性を持たないものがある。回答の時、それが現地の類似する発電の場合、グリッド電力価格の過去数年の歴史変化及び未来への合理的な予測を分析し、それとともに人件費、インフレ率などの変更、IRRがベンチマーク収益率をオーバーするか等を合理的に分析するのだ。

発電プロジェクトは、グリッド電力会社との契約をすでに調印済みで、合意した電力価格が10年または10年以上固定電力価格である場合、このような契約は、固定電力価格を採用するのが合理的な証拠となることを非常に強く証明できる。この契約が無い或は契約が短期で毎年調印する場合、より一層分析、論述する必要がある。私が前回のEB会議レポートで独自の見方、アドバイスを提出した。

EB次回の会議に固定電力価格に関わる投資分析の政策にて、最終の解決方案を作成するのが望まれる。

 

(二)再審査プロジェクトの状況
我が国の20件のプロジェクトが、前回に再審査に入った。その結果は、16件のプロジェクトが条件付の登録、4件のプロジェクトが非常に残念なことに、登録できなかった。登録の際、これらのプロジェクトについて非常に激しい討論がなされた。特に廃熱回収プロジェクトの場合、企業IRRは、投資決定にて証拠とする。当然、数回討論を経て、このプロジェクトは登録を得たのであり、それに関わる類似的な政策問題点が解決された。今後も類似的なプロジェクトは登録申請する際に容易になるであろう。登録できなかった4件のプロジェクトのうちの一つは、山西コークス業界での廃熱プロジェクトであった。このプロジェクトにおけるグリッド電力購入量は、廃熱発電グリッド電力量の10%しか占めない。従って、前回EB会議にて出た意見に基づき、コークス業界でのベンチマーク収益率の適用は投資決定の証拠とならない。中国の発電業界でのベンチマーク収益率は8%か10%を適用され(小規模の水力発電プロジェクトなど)12%ベースラインのデータがない。この4件のプロジェクトには、例外なく、12 %IRRが一切に採用されていて、大量の証拠でベースラインのデータ応用の合理性を証明した。

プロジェクト事業者とDOEからの回答・証拠によると、非常に説得力がある。しかし、多くのEB、秘書、RITメンバーが、中国の発電業界では8%または10%が認められるが、ベンチマークの12%を受け入れることはない。だから、この4件のプロジェクトは、今回に完全に失敗したのである。

続けて強調したい点は、再審査後条件付の登録になるプロジェクトは、回答が要求に合わず、必要な証拠を提出しない場合、最終登録ができない可能性がある。

条件付登録になるプロジェクトは、回答するのに12週間ある。この時間を十分利用して、この問題点を徹底的に検討し、回答を正確に行い、できる範囲で証拠を提供すれば、最終的に登録できるであろう。プロジェクト事業者、DOEが、この唯一の機会を十分に重視、活用する必要がある。同時に特に注意すべき点は、12週間以内に回答しなければならない点だ。期限が切れると諦めたものと見なし、拒否コラムに直接に入れられる。実際に期限内に回答しなかったプロジェクトがあった。EBが現在この規定を再び表明したのだ。

その他、強調したい論点は、プロジェクト事業者とEBとのコミュニケーション・連携を重視すべきであるということだ。DOEの提出する確認報告書はEBの規定に準じなければならない。中国の状況にて、EB38会議に54項目もの要求に関わるものがあり、該当箇所は54(C)項である。DOEが業界知識でこの報告書の数字を分析・対比し、このデータが合理的かどうかを独自に判断する。今回、1件のプロジェクトにて、プロジェクト事業者からの回答が非常に円満なものがあった。しかし、DOE確認報告で非常に専門的ではなく、このプロジェクトはほとんど拒否されたことがあった。DOE検証の水準の問題で、このプロジェクトが拒否されれば大変残念なことである。従って、プロジェクト事業者がDOEとの緊密なコミュニケーションを保つ必要がある。

 

(三)CER発行審査:

我が国の3件のプロジェクトが発行申請した際に再審査されたのは、LINHAIのHFC23、JINAN鋼鉄所、HANDAN鋼鉄所の廃熱回収プロジェクトである。討論を経て、この3のプロジェクトについてのCER発行がスムースに行われた。しかし、正式に発行される前、要求に沿った修正済みの報告書を提出する必要がある。前回再審査に入ったのは、ZEJIANGのHFC23プロジェクト。今回は審査後CER発行がスムースに行われた。最終の発行前、要求に沿った修正済みの報告書を提出する必要もある。

最近、ある友人が言ったのは、多くのプロジェクトにて実際のモニタリング計画が元の計画に準じないものがあるというのだ。ここに、私が再び注意を与えるのは、プロジェクトにて提出し批准されたモニタリング計画、及びモニタリング方法論の要求に準じない場合、不運なのはプロジェクト事業者であり、EBから最大な罰を与えられる可能性があり、排出削減量の発行を拒否されることがある。EBが排出削減を差し引く可能性がある。実施されるVVMを公布する。モニタリング計画のための要求は非常に厳しいものである。モニタリング計画に従うものを実施できない場合、事前Deviationを申請しなければならなく、或は理論上に排出削減量を最も保守的に計算する。そうすれば、プロジェクト事業者が巨大の損失に直面する可能性が高いであろう。