EB会議 レポート

EB45次会議について

呂学都 

科学技術部

2009216

ソース:Clean Development Mechanism in China (原文は中国語)

 

200928日~13日、EB45会議がドイツのボン市で開催された。28日~10日は非公式会議、11日~13日は公式会議であった。今回の会議では、「前回会議以来審査待ちのプロジェクト」、「前回の会議で Under Review されたプロジェクト」、「国連登録されたが元の計画に沿って実行されず、CERsが発行できるか否かという問題」、「委任委員会と方法論パネルの報告に関する討論」、「承認と承認事項の提出」などについて議論が行われた。スモールプロジェクト方法論パネル及び植林ワーキンググループは、今回の会議前に会議を開いていないため、審議事項を提出していなかった。今回は、審査待ちのプロジェクトが非常に多いため、会議は一日多く設定されたが、結局一部の内容について議論する時間がなく、次回に延期されることとなった。

 

会議では、オランダ委員Lex de Jongeが主席に、ジャマイカ委員  Clifford Mahlungが副主席に選出された。

 

以下が会議の主な内容及び重要なポイントのまとめである。

 

1.  DOEの委任

 

1).今回の会議では、委任委員会から提出されたDOE委任基準と委任プロセスに重点を置き審査が行われた。一部のメンバーは委任基準に対する要求があまりにも高く、特に申請機構の財務面に対する要求が高いため、一部の修正を求めた。また他のメンバーは、DOEは如何に外部専門家と人材資源を活用するかということに対して異なる意見を持つ。これらの問題によって、委任委員会に対する承認を順調に行うことができなかった。委任プロセスに対しては、メンバーたちの異議はほとんどなかった。しかし、委任基準が承認されなかったため、一部のメンバーは委任プロセスだけを承認することに同意しなかった。会議では、この二件の作業に関して一週間以内に文書上の修正意見を提出することが求められた。次回の会議でこの重要な問題二件をまとめて解決することが望まれる。

 

2).今回の会議でもう一つの重要な議題は、前回の審議でEBから処罰を受けた二つのDOEの状況について審議することである。長時間の議論を経て得た結論は、「DNVDOE資格を取り戻すが、更なる監督が行われる」ということと、「JCIDOE資格を承認し、この機構に対する調査を中止する。」というものである。EBの決定を受け、DNVJCIEB45回会議後すぐにでもDOEのすべての職務を施行できる。ここで、謹んでこの二つの機構に敬意を表す。

 

3).今回の会議で、2009年に一度、アジア・太平洋地域、西ヨーロッパ及びラテンアメリカでVVMセミナーを行うことを決めた。各機構がVVMに対する認識と理解を強める目的である。ここで、特にわが国のDOE資格を申請する機構ができるだけ多くの中堅メンバーをこのような育成セミナーに参加させることを推奨する。

 

 

2.  方法論の審査

 

1).今回の会議で、四つの新しい方法論を承認し、七つの方法論を修正し承認した。関連機構と専門家はぜひこれらの新しい方法論と修正した方法論の応用条件と中国での適用性について細かく研究して頂きたい。

 

2).今回の会議で多くの時間を費やし議論されたのが、すでに国連登録されたプロジェクトは、PDDに記載する計画通り実行されず、(例えば発電ユニットの容量が増えたり、プロジェクトに使用される技術が変更された等)、このようなプロジェクトに対して、CERsを継続的に発行すべきかどうかという問題である。会議の日程に従って、この議題にある指針を出すべきであったが、一部の結論に対して皆の意見が一致しないため、次回の会議で引き続き討論することになった。原則として、「それらの感度分析の範囲内の変化」、や「プロジェクトの類型が変わっておらず(例えばスモールプロジェクトの発電ユニット容量が増加してもスモールプロジェクトの範囲内にある等)、追加性が変化しない」などのプロジェクトは承認され、CERs発行を続けて申請できる。

 

3).会議では、プロジェクトは更新記入期間において、baselineの更新問題をどうすべきかということについて議論された。「baselineのデータの更新」、「baselineシナリオの更新」をすべきか、また更新するときの国家政策、行政政策、baselineに影響する価格などの要因を中に含めるべきかについて会議で一致せず、次回討論することになった。この問題は、プロジェクトは第二記入期間に依然としてCERsを発行してもらえるかということに大きく影響している。皆さんに、プロジェクト記入期間を考える際に、この問題についてよりよい判断をするため、注意してもらいたい。

 

4).会議では、熱と電力施設の効率計算Toolについて議論された。このToolについてはまだたくさんの異なる意見がある。このToolは今後熱電供給のCDMプロジェクトの開発に大きな影響を及ぼすため、関係者、専門家は、このToolを重視し、web上に積極的に自分の修正意見を出してもらいたい。

 

 

3.  プロジェクト参加者とEBの連絡方式(MOC

会議では、活発な議論を経て、MOCの方式や関連tableなどが承認された。ここでは、国内プロジェクト事業者、プロジェクト開発機構及びCDMに従事する弁護士に、このMOCを充分重視してもらいたい。でないと、今後、プロジェクト事業者にとって非常に面倒な結果になるかもしれない。簡潔に言うと、このMOCは誰が責任をとってEBと連絡するかということを決めるものである。実はそのコンタクトパーソンこそ、誰をプロジェクトに参加させるかということに大きな権限を持つ。現在、国内ではすでに一部の事業者はこのため面倒な状況に遭っている。教訓をくみ取って重視すべき点である。

 

 

4.  我が国のプロジェクトの審査結果

1).Review requestedプロジェクト

今回Review requestedのプロジェクトは全部で113件であり、そのうち我が国のプロジェク トは100件である。審査した結果、72件はCorrections requestedになり、改めてPDDValidationレポートを出す必要がある。また、一部のプロジェクトは書類やエビデンスを補充する必要がある(EB報告書に明確に記載されている)。これらの機構及びDOEはこの要求に従い、関係書類やエビデンスをよく準備し、review requestedならず順調に承認されるように努力して頂きたい。そして28件のプロジェクトがreview requestedになった。この28件の問題は主に以下の通りである。「投資分析(Investment analysis)のデータ及びその変化の分析と確認」、「プロジェクトが如何に持続的にCDMを求めるか及びそのエビデンス」、「水力発電プロジェクトの『有効発電量』及び『有効発電量係数』の選択」、「ベンチマークの選択」、「中国水力発電プロジェクトFSレポートの電力価格低下などに関する問題」などで、プロジェクト事業者及びDOEEBから正式な通知を受けたあと、5稼働日以内に回答しないといけない。時間は非常に限られているため、関係機関は迅速に回答して欲しい。

 

2).Under reviewプロジェクト

前回会議では、17件のプロジェクトがunder reviewされた。中には、我が国のプロジェク ト8件があった。Under reviewされた後、その8件はCorrections requestedになった。インドの1件のプロジェクトはunder reviewを通らず、rejectedされた。

 

3).Review requestedを受けたプロジェクト ⇒ Under review  のケース

  我が国の2件のプロジェクトのうち、1件はMagang CDQプロジェクトで、1件は山西省の炭鉱メタンガス利用プロジェクトである。 前回会議で、review requestedを受けて、Corrections requestedになった。しかし、EBを満足させる追加説明資料を提出できなかったため、再度under reviewになった。従って、再度注意して頂きたいのが、Corrections requestedになったプロジェクトについて、EBが出す要求をきちんと分析し、充分な根拠を提出し、かつ提出物はDOEの確認を得らなければいけないということである。(DOEが確認作業のミスで問題になったこともある。)

 

 

4).Under reviewされたプロジェクト ⇒ Corrections requested のケース

  本会議では、Under reviewされたプロジェクトについても討論された。これらのプロジェクトに対して、二つの結論がある。それは「registeredrejectedか」である。今回、11件の同種のプロジェクトが審査され、中には我が国の9件が含まれる。結果的に、7件がregisteredされて、中には、我が国のCONCH公司の5つのセメント余熱発電プロジェクトも含まれる。これは、CONCH公司が投資分析の基準値としてWACCを使うことをEBが認めたことを意味する。しかし、我が国の山西の4つのコークス製造余熱利用プロジェクトがregistered にならなかった。唯一の問題は、省レベルの機構が発行する業界基準についてDOEがすでに認めたが、EBがそれを認めていないことである。EBはすでに議論したことがあるが、もし、プロジェクト発電の目的がグリットに電力を供給するだけであれば、電力の業界基準値を採用すべきである。企業がグリットから卸す電力は発電量の75%より大きいことを証明できるなら、話は別にある(これについては、私はEB43回会議レポートに述べた)。

 

5).CERs発行を申請するプロジェクトのrequested review & under review 状況

  本会議では、CERs発行を申請するプロジェクトのrequested review31件あった。中には、我が国のプロジェクトが8件含まれる。審査した結果、21件のプロジェクトが承認され、我が国の8件も全て承認を受けたが、10件のプロジェクトがunder reviewされた。今回の会議では、前回under reviewとされた二つのプロジェクトがCERs発行審査を順調に進め承認を受け、その中には我が国の一件のプロジェクトが含まれる。CERs発行が審査されたプロジェクトの主な問題は、「元のモニタリング計画、或はモニタリング方法論に従って実行されていなかったこと」である。中には、「モニタリング方式」、「頻度」、「計器の校正」又は「0に修正する頻度」などが含まれる。プロジェクト事業者はぜひ厳格にPDD或はモニタリング方法論の規定・要求に基づきモニタリングを実施し、万全な記録とデータ保存を行って欲しい。

 

 

5.  いくつかの普遍的な問題に関する見解

 私は、「個人の理解、及び会議に参加した議論」に基づき、「持続的なCDMのサポート」、「水力発電プロジェクトの『有効発電量』及び『有効発電量係数』」、「中国の水力発電プロジェクトのFSレポートにある電力価格下落問題」などについて以下の意見をまとめた。それらが専門家や専門機構の参考になればと思う。 投資分析のデータやその変化の分析と確認、基準収益率の選定は適合しているかどうかの問題は、以前すでに紹介したため、今回は省略する。

 

(1)   持続的なCDMのサポート

  これはEB41回会議の付属文書46の第5b)段にある要求である。過去には、あまりこの要求は注目されなかった。現在、この問題に対する一般的な要求事項とは、


a.
 プロジェクト立ち上げ前にすべての「CDMを考慮する収益」の根拠をリストアップする。

b. プロジェクトが立ち上げられてからDOE現場審査までの間に、プロジェクトがCDMサポートを求めることに関する全ての活動記録及びエビデンスをリストアップする。

  ということである。
  中には、「プロジェクトを開発するためにコンサルティングと結んだコンサル契約」、「バイヤーと交渉する売買契約」、「政府にCDMプロジェクトとして承認された資料、またはそのプロセス」などが含まれる。以上の全ての活動の間隔は12ヶ月以内であればEBは何の疑問も持たない。しかし、12ヶ月以上空くと、質疑されるかunder reviewされるかとなってしまう。現在、我が国の多くのプロジェクトがunder reviewになった原因の一つはこの問題で、ある案件では、これが唯一の問題になったこともある。以前、多くの専門家はこの要求を知らず、リストアップしたイベントが不完全であった。そのため、回答する際に、全てのイベントをリストアップした。もし、一部のイベントで必要なエビデンスが足りなかったら、他の提供できる全てのエビデンスを提供すればいい。一部のプロジェクトがすでに何年か経っている場合、エビデンスを収集するのが非常に難しいのであれば、コンサルティング、バイヤーと契約書を結ぶ際に送受信するメールでもいい。つまり、一年以内CDMサポートのイベントがなくてはならなにのである。もし二年以上関連するイベントがない場合は、基本的にこのプロジェクトは
rejectされる。実際、EBはこのような理由でプロジェクトをrejectしたことがある。

 

(2)   水力発電プロジェクトの「有効発電量」及び「有効発電量係数」

a. 回答する前に、まず「有効発電量」の概念を紹介したい。「有効発電量」という概念を使いFSレポートやプロジェクト初期設計レポートを書くのが普通である。あるプロジェクトでは、この概念をわかりやすく紹介している。浩華公司は「有効発電量」及び係数に関する資料をまとめたが、このレポートの最後の添付資料をご参考頂きたい。ここで、特に浩華公司の貢献に感謝したい。 

 

 bプロジェクトを紹介する際に使う「可能発電量」及び「相応の発電機容量」は当地の多年の水文データにより計算したものである。同時に、「発電機容量は最大可能な発電量で設計したか」、それとも「有効発電量で設計したか」を説明するものである。EBメンバーは過去、発電機容量は「有効発電量」で設計したのか、それとも「最大発電量」で設計したのかを質問してきたことがある。

 

 c.もしグリット会社が、具体的な水力発電プロジェクトのグリットにアップする発電量について明確な制限がある場合は、そのような資料を提供するといいエビデンスになる。もし一般規定の資料があれば、それを提供してもいい。

 

 d.検証内容としては、「プロジェクト設計に用いた「有効発電量係数」と『スモール水力発電建設プロジェクト評価規程(SL16-95)』とが符合するかどうか」、「選定した「有効発電量係数」は適合するかどうか保守であるかどうか」、「本流域にすでにある発電所の実際の有効発電状況を利用し、本発電所の有効発電量係数は適合するかどうか」というものになる。或は、「本発電所の実際の状況で仮定した有効発電係数の選択は保守的かまた適合するか」ということも検証できる。

 

 e.中国ではスモールスケール水力発電での発電は直接個人ユーザーに提供できないのが一般的であることも説明すべきである。プロジェクト所在地は独立したグリットが存在するかどうかを説明する必要がある。要するに、もし存在すれば、余分の発電は独立のグリットまた独立のユーザーに提供する可能性がある。グリット会社がプロジェクトの発電を受けない期間内は、「プロジェクトは発電したかどうか、「水を放棄したかどうか」、「もし発電したのであれば、その電力はどこに輸送したか、つまりグリットにアップしなかったらどこに輸送したか」について関心が置かれる。

    特に注意すべきなのが、多くのプロジェクトの英文翻訳が出来ていないことである。例えば、「有効発電量」と実際にグリットにアップした発電量の差別を、「power loss」と訳す。これは電線ロスとすれば理解できるが、「有効発電量」の概念を解釈する時には分かり難くさせる可能性がある。つまり、ほとんどのEBメンバーは、「プロジェクトが発電したが、どこに輸送したか、どこに損失したかについてよくわからない」という。前回のEB会議でrejectedされた中国のある水力発電プロジェクト(1804、合江県のある水力発電プロジェクト)の主要な問題も、「有効発電量」と実際グリットに送った発電量の差を分かるようにはっきり説明できなかったのが原因で、非常に残念なことである。今からみれば、そのプロジェクトは登録される可能性もあった。しかし、前回のEB会議の決定はプロジェクト事業者及びDOEの解釈が不明確だったため、EBには間違った理解を導き、rejectedされる結果となった。

 

(3)   「中国水力発電プロジェクトのFSレポートにある電力価格下落問題」

  最近、わが国のいくつかの水力発電プロジェクトが審査され、その共通の原因が「投資分析の経済データの大部分がプロジェクトのFSレポートから用いられたが、電力価格だけが除かれた」ということにある。且つ、採用された電力価格はFSレポートに明記された価格より低かった(かなり低くなったプロジェクトもある)。EBは、これが「E+政策」と関連するかについて解釈を求めた(E+政策とは、温室効果ガスを多く排出することを奨励する政策のこと)。もし、本来のFSレポートの電力価格で計算すると、プロジェクトのIRRはベンチマークに達する。しかし、電力価格が下落した後、ベンチマークを達成できなくなる。従って、CDMのサポートを探り、プロジェクトが経済上実行出来るようにさせる。このようなプロジェクトがたくさんあったため、皆が「中国政府はCDMのサポートを獲得できるため、電力価格を下落させる政策をとったのか?」という疑問を持ち、「E+政策」を質問した。

私はEB内部会議で自分の知識と知りえる状況に基づいて解釈した。中国でFSレポートを作成する機構は、FSレポートを作成する際、グリットに送る発電量の価格は確定したものではなく、プロジェクト事業者とグリット会社が交渉した後に政府から承認されて始めて価格が確定される。しかし、FSレポート作成機構はFSレポートを作成する際、プロジェクトが経済上に実行性があるために、いつも逆算して達すべき電力価格を得る。この価格に達しないと、プロジェクトは実行できない。FSレポートで仮定した価格は、しばしばプロジェクトで獲得できる価格より大きい。これが中国の多くのプロジェクトの実情である。発電会社はグリット会社と平等に価格交渉を行うことは絶対になく、グリット会社はいつも非常に有利な立場で交渉を行う。だから、プロジェクトは基本的にFSレポートに仮定した価格をもらえることは不可能である。しかし、もしFSレポートの価格に達しないと、他の経済パラメーターは基本的に一致している状況で、プロジェクトは経済上に実行できない。解釈した後、EBメンバーと技術審議専門家はこの問題に対してよりよい理解を得たが、事業者とDOEがはっきり解釈させ、関連エビデンスも提供してもらいたい。そして、事業者とDOEはこの問題についてしっかり研究し、みんなに納得できる解釈を出し、関連エビデンスも提供すべきであると考える。

 

 

6.  EBの審査プロジェクトに対する決定

 Requested for reviewにしてもunder reviewにしても、登録審査にしても、CERs発行申請にしても、EB審査後に出た決定は、一般的に三つに分けることができる。

1、同意(直接登録或は発行)

2、条件付同意(登録或は発行)

3、不同意(rejecet或はunder review

である。

 

さらに条件付同意も三つに分けることができる。

 

①、追加の要求がない、条件付同意

このような状況は、事業者とDOEに対して審査に回答した際に提供した情報や書類及びエビデンスを、修正後のPDD及びValidation reportに追加すれば、EBセクレタリアットの確認とEB主席の承認を得た後で登録あるいは発行ができる

 

②、追加の要求がある条件付同意

このような状況は、EBの決定毎に追加の情報を提示することが求められる。例えば

additional information, further substantiation, further substantiateなどである。事業者とDOEが要求された追加情報を提示し、EBセクレタリアットと主席に確認された後、要求を満たしたら登録或は発行できる

 

③、追加の要求があり、条件付同意と同様で、

EBの決定として②と同じ追加情報を求められるケース

   このような場合、プロジェクトが追加的であるかどうかは非常に重要なポイントになるが、

このような状況は、プロジェクトが新たにEB会議で審査を受け承認されることになる。例えば、本会議で5つのCOHCNプロジェクトと山西の4つのコークス余熱利用プロジェクトがそうである。EBの決定をぜひしっかり分析し、正確に回答して頂きたい。

EB44次会議について

学都 

科学技術部

2008122

 

  ソース:Clean Development Mechanism in China (原文は中国語)

 

 20081124日~28日、EB44会議がポーランドのポズナン市で開催された。1124日~25日は非公式会議、26日~28日は公式会議であった。今回の会議では、前回の会議でUnder Review されたプロジェクト、VVMCommon practiceの簡略化、委任委員会のワーク報告、DOEに対する審査、方法論パネルやスモールプロジェクト方法論パネル及び植林ワーキンググループの報告、承認される方法論などについて討論が行われた。

 

 プロジェクトの審査やDOEに関する具体的な討論が非常に困難で時間もかかったため、会議は連日遅くまで続いた。基本的には朝9時から夜10時以降へと続いた。しかし、まだ一部の内容については討論する時間がなくなったため、次回の会議で議論するしかない。

 

以下が会議の主な内容及び重要なポイントのまとめである。

 

1.  DOEの委任

今回の会議で、最も重要な議題は二つのDOEであるDNV及びJCIについて審査し、調査状況の報告が出されたことである。委任委員会から設立した調査グループの調査によって、この二つのDOE5箇所にのDOE基準を違反したことがわかった。従って調査グループは二つのDOEに対して処罰意見を提出した。今回の会議で、EBが二つの機構の責任者をEB会議の現場に呼び出し、調査及びヒアリングを行った。実際の質問や調査の状況と委任委員会の意見により、EBが丸一日討論した結果、DNVのDOE資格を半年間取り上げることを決定した。この半年以内では、DNVは五つの過ちを正さなければならない。DNVはその修正箇所早く改正すれば、また、EBがその実況を調査し、EBの要求を満たしていれば、処罰をすぐ解除し、DNVは改めて完全なDOE資格を得ることができる。またJCIに対しては、会議での報告と陳述にて、基本的に改正すべき要求事項を満たした。しかし、委任委員会から設立した機構が、JCIの改正措置を詳しく審査してから、処罰を下すかどうかを決める方針となった。そのため、今回のことはJCIのValidationVerificationなどの活動には影響がない。

 

 EBのこの決定事項は、地震のような影響をもたらすであろう。DOE自身もEBがこのような「DOE資格を取り上げる」というような決定を下すと思わなかったであろう。いずれにせよ、DOEの数は今CDMプロジェクトのValidationVerificationの仕事量に対して圧倒的に足りていないのが現状である。EBはこのような決断を下すのも非常に辛かった。DNVの問題を朝9時から議論し始め、昼食の時間もとらずに午後5時まで続いたことからも、議論の難しさと激しさが伝わるだろう。

 

この決定はDNVが今展開しているValidationVerificationに影響があるであろう。ところが、その影響は限られている。あくまでも資格の取り上げは一時的なもので、改正する時間は一ヶ月もかからないかもしれない。改正後、EBに通知し、EBはその結果を再度審査する。今の状況をみると、もしDNVが積極的に対応し始めると、早ければ次回の会議(20092月)、もしくはその前にこの処罰が取り消されることになるだろう。また、正常な新規プロジェクト登録要請手続や新規プロジェクト登録要請手続などを実施できないことを除いて、VerificationCertificationなどに関する準備作業を続いて行うことができる。ただEBに提出する時間については待たなければならない。JCIは今回の会議で、過ちを正す行動や措置を述べ、処罰の目的が達成されたと思われたため、続いての処罰が取られなかった。今回の結果は、「厳重警告」と理解できるだろう。

 

 EBはやはり誠実なDOEを好む。これは正に国連であり、誰も怖がることはない。ほかのDOEもこの事件から経験と教訓を吸収し、EBの要求に従い、ValidationVerification作業をまじめに行ってもらいたい。

 委任委員会は、DOE委任基準を提出した。この文書は長いため、EBメンバーは会議後に真摯に研究し、次回の会議でまた審査することになった。EBは委任委員会に次回の会議で簡略で、且つ迅速な委任プロセスを提案させたい。

 

2.  VVMについて

 今回の会議でVVMが順調に批准された。今回のものがVersion. 1である。今後、継続的に修正を行っていく予定である。EBはDOEにこのVVMを直ちに採用してValidationとVerificationを実施することを要求した。EBは如何に関連セミナー活動を行い、DOEにこのVVMを把握させるかということを考えている。このほかに、EBはDOE委任基準も同時に編成している。

 VVMはCDMプロジェクト開発、Validation、Verification、プロジェクト登録などに関する最も基本的な文書である。そのため、国内のCDM専門家や政府担当者がこのVVMをまじめに勉強し、特にPDD開発や技術サービス提供者、DOE申請機構に勉強して頂きたい。

 

 

3.方法論について

 今回の会議で、二つの新しい方法論が承認された。その一つは農業廃棄物が複数サイトから処理するシステムに関する方法論(AM0073)であり、国内の多くのプロジェクトに適用可能性がある。

とくに指摘すべきなのが、わが国が修正の要求を出したAM0025方法論は、ゴミ焼却をする際、化石燃料の比率は20%以下にならなくてはいけないという制限条項を提出した。しかし、このプロジェクトがこの要求に従うことは難しい。この方法論の計算式はすでに増加した化石燃料の燃焼について十分考慮したため、この条件はまったく意味がないと思われる。そのため、私はこの制限条項を取り消し、或は修正すると要求した。討論した結果、最終的に、この条件を20%から50%に緩めることが決定された。

 会議では、「First of its kind」 指針についても議論した。つまり、業界内の初プロジェクトであれば、Common practiceをしなくてもよろしい。しかし、討論する時間が限られているため、この問題は次回に討論するしかない。

 また、会議では植林ワーキンググループの報告についても討論した。二つの現行方法論の簡略化方案を承認した。スモールプロジェクト方法論については、新しい方法論AMS III.KAMS.II. Cを承認し、いくつかの方法論も修正できた。

 

 

4.我が国のプロジェクトにおける審査の結果

 

(1) Request for reviewされたプロジェクトに対する審査:

今回、我が国の14件のプロジェクトが、登録申請した際にRequest for reviewされた。そして審査後、6件のプロジェクトが条件付登録になった。この6件のプロジェクトは、EB報告に基づき、必要な情報、或は証拠を提供しなければならないこととなった。修正されるものが今後審査をパスでき、再審査にならないよう、関連する機関やDOEは要求に従って、関連書類・証拠を真剣に準備しなければならない。また、8件のプロジェクトが再審査に入ったのは、大変残念なことである。この8件のプロジェクトの問題は比較的に回答し易い。その中で、再生可能なエネルギー類のプロジェクト(風力発電と水力発電)の主要な問題はCommon practiceの回答が良くないことである。プロジェクトの発電ユニット容量の範囲は適合で、プロジェクトの時間も適合ではなければならない。通常、Common practiceにおけるユニット容量は3545%の範囲内で、時間は一般的に2002年国家電力体制改革前後を臨界点だと考える。

 

(2)再審査プロジェクトの状況

わが国の7件のプロジェクトが、前回に再審査に入った。その結果は、6件のプロジェクトが条件付の登録、1件のプロジェクトが非常に残念なことに、登録できなかった。登録できなかったプロジェクトの主な問題は、水力発電の計画発電量とプロジェクトで実際にグリットに売る電力量数値の選択の違いを混淆していることである。

 

 

 

 

 

EB43会議について

学都 

科学技術部

20081025

ソース:Clean Development Mechanism in China (原文は中国語)

 

 

  20081020日~24日、EB43会議がチリの首都サンデエゴで開催された。1020日~21日は非公式会議で、22日~24日は公式会議であった。今回の会議では、前回会議でUnder Review されたプロジェクト、VVMDOE委任及び委任手続き、EBの締約国会議への報告、CDMプロジェクトの分布がアンバランスである問題などについて議論された。特にプロジェクトの審査、VVM、締約国会議報告及びCDMプロジェクト分布問題についての討論が非常に困難で時間もかかったため、会議は連日遅くまで続いた。基本的には朝9時から夜10時以降も続き、最後の日は深夜2時までかかりやっとすべての議題を消化した。

 

以下が会議の主な内容及び重要なポイントのまとめである。

 

1.  DOEの委任

 

 前回の会議決定で、委任委員会はDOE委任を簡略化及び加速化するアドバイスを提出した。今回の会議で、委任委員会はEBを満足させるような「委任を加速させるアドバイス」を出していないため、次回の会議で続けてこの法案のドラフトについて討論し完成させ、EB44会議で審議させるように提案した。それと共に、新しいDOEの認定政策が2009年の第一次EB会議後より実施される。この決定により、現在のDOEの新たな認定は現場審査を行わなくてもいい。書類審査だけで、元の認定の範囲がもらえる。新しく申請した機構は、必要な現場審査がなされて資格を得たら、具体的なvalidationができるようになる。この活動は委任委員会の協力で手配してもいい。一旦、実際にvalidationが首尾よく行われて、委任委員会が認定することに同意し、かつEBによって批准されたら、後は全てのvalidation分野のvalidation資格がもらえる。これによりプロセスは大きく短縮できる。14の新しい機構がDOEになる予定であるが、そのうちの二つは中国の機構であるとUNFCCC事務局は予測している。

 会議では、DOEに関する他の事項についても議論が行われた。例えば、DOEの業務の激励と懲罰規制、DOEvalidationを行う期間の制限、EBに決定された現地調査を行うDOE名簿の公開などが議論された。この一連の要求は、DOEEBの決定に従い、正確かつ確実に自らの役割を果たすことを促進するためのものである。

 

2.  VVMについて

 

 今回の会議で二日間を費やしてVVMについて議論し、VVMの内容の申請が終わった。この公文書は非常に長く、その影響力が大きいため、会議ではその内容の整合性、間違いがないか、改善すべきところがあるかなど、更なる確認を行うために、EB委員達に時間を別に確保しておいた。ただ、原則では、既に同意された内容については新らたに議論されななった。次回の会議では、この公文書が正式に批准されることになる。国内CDMの専門家と政府関係者に、特にこのVVMをしっかりと読んで頂きたい。特に、PDDの開発と技術支援、DOEを申請する機構があげられる。このVVMCDM開発、プロジェクトの有効化審査、CERsの検証・認証、CERsの発行に関する基本的な公文書である。

 

3.  プロジェクトの公開手続きの改定

 

EBが多くの関係者から質問されたことがある。それは「あるプロジェクトについて新しい方法論及び旧方法論が適用される時、一部に新しい方法論の内容が使われる。このプロジェクトは既に公開されたが、新たに公開することが必要であるかどうか」という問題である。前回の会議ですでにこの問題について議論し、その結果については私もネット上で公表した。今回の会議でこの規則に対して徹底的に修正・改善が行われた。その規定は以下になる。「もしこのプロジェクトがすでに公開されたら、その方法論が再び公開すべきと要求していない限り、新しい方法論が使われていても、再度公開しなくてよい。また、新バージョン方法論の部分的な内容を利用した旧バージョン方法論の場合、再び公開する必要もない。」この決定のロジックは、公開されるのがプロジェクトであり、方法論ではないということだ。方法論のバージョンが修正されても、プロジェクトに実質的な影響がないため、再び公開する意味がないのである。EBの具体的な内容はEB43次会議レポート第42段落及び付属資料12の第6段落にある。

 

4.  締約国への会議報告

 

EBの締約国への報告は、EBの一年間の業務状況及びEBに業務指導を行うための重要かつ基礎的なものである。EBの各会議報告には、基本的に過去一年間EBが得た重大な業績、さらなる業務計画や予算などが盛り込まれる。しかし、基本的に存在する実際の問題を報告していない。私は、この手法に批判の姿勢を示した。CDM運営システムに重大な問題があるのだ。例えば、プロジェクトの検証・認証はなぜこんなに長いのか?なぜDOE認定はこんなに長いのか?プロジェクトが自動的に登録される比率がこんなに低いのはなぜか?等々である。今CDMシステムは大きな問題を抱えている。しかも、これらの問題はEB自身では解決できない問題である。そうであれば、なぜ締約国会議に報告しないのだろうか。激しく討論した結果、締約国会議にEBが今直面している取り組みを報告し、EBはこれらの取り組みに応対できる活動が既に始まったのだが、締約国会議にも指導や意見を求めている。

 

5.  CDMプロジェクト分布問題

 

 現在、中国、インド、ブラジル、メキシコ、マレーシア、南アフリカ、韓国、インドネシア、チリなどの国が登録済みCDMプロジェクトの多くを占めている。その他の多くの国はまだ一つも登録されたプロジェクトがない。CDMが出始めた時、多くの国はこれこそ資金と技術を獲得するチャンスだと大喜びをし、大きな期待があった。しかし、何年か経って、CDMプロジェクトの影さえ見られなくて、最初の期待は失望に変わり、政治問題にもなった。近年の締約国会議では、アフリカ、後発発展途上国や島嶼国など、どの国もCDMプロジェクトの発展を推進したいと表明した。しかし、CDM自体は市場メカニズムであり、EBは強制的に、ある機構・ある国でCDMプロジェクトを実施させることができない。従って、締約国会議はEBCDMプロジェクト分布問題の解決方法を提出することを要求した。今回の会議でも、EBCDMプロジェクトのバランス的な分布を促進する「技術的な提案」、「開発方法論」、「技術育成」、「先進国にこれらの国のプロジェクトを多く購入することを奨励する」などについて討論した。これらの措置を提出する論点は、今でも登録済みプロジェクトが5つ以下の、アフリカ、後発発展途上国や島嶼国である。

 

6. 我が国のプロジェクトにおける審査の結果

 

(一)     Request for reviewされたプロジェクトに対する審査:

  今回、我が国の12件のプロジェクトが、登録申請した際にRequest for reviewされた。そして審査後、1件のN2Oプロジェクトが登録された。また、4件のプロジェクトが条件付登録になり、この4件のプロジェクトにおける関連のPDD、及びvalidation報告書の再提出が求められることになった。そして、EB報告に基づき、必要な情報、或は証拠を提供しなければならないこととなった。修正されるものが今後審査をパスでき、再審査にならないよう、関連の機関やDOEは要求に従って、関連の書類・証拠を真剣に準備しなければならない。また、7件のプロジェクトが再審査に入ったのは、大変残念なことである。この7件のプロジェクトは、以下三種類に分類できる(1)小規模の水力発電プロジェクト、(2)鋼鉄所での廃熱発電プロジェクト、(3)LNG発電プロジェクト。である。再審査に入った主な問題点は2つあり、私が前回のEB会議レポートで特に論述したが、ここで再び簡単に説明しよう:

 1.ACM0004方法論を応用してベースラインを選ぶ際に、プロジェクト期間内に固定の電力価格しか考慮しなかったことである。固定電気価格を適用するのは合理的か否かを分析することはUnder Reviewにて要求される事柄である。もし将来の電力価格が予測できない場合、その理由を説明しなければならないのだ。回答する際は、価格の歴史的な変化、未来への合理的な予測を分析の上、同時に人件費、インフレ率の変更なども考慮する必要があり、比較分析をするとより合理的である。

2.発電してグリッドに売電するプロジェクト(ACM0002方法論のアプリケーション)にて投資分析の際、プロジェクトライフサイクルの中では、統一の電力価格を採用する。EBはなぜ電力価格の変化を考慮しなくて、固定の電力価格を採用するのかに関しての説明が求めてくる。その主な原因は、グリッド電力価格が上がる場合、プロジェクトIRRはベンチマーク収益率をオーバーする可能性があり、当該プロジェクトは追加性を持たないものがある。回答の時、それが現地の類似する発電の場合、グリッド電力価格の過去数年の歴史変化及び未来への合理的な予測を分析し、それとともに人件費、インフレ率などの変更、IRRがベンチマーク収益率をオーバーするか等を合理的に分析するのだ。

発電プロジェクトは、グリッド電力会社との契約をすでに調印済みで、合意した電力価格が10年または10年以上固定電力価格である場合、このような契約は、固定電力価格を採用するのが合理的な証拠となることを非常に強く証明できる。この契約が無い或は契約が短期で毎年調印する場合、より一層分析、論述する必要がある。私が前回のEB会議レポートで独自の見方、アドバイスを提出した。

EB次回の会議に固定電力価格に関わる投資分析の政策にて、最終の解決方案を作成するのが望まれる。

 

(二)再審査プロジェクトの状況
我が国の20件のプロジェクトが、前回に再審査に入った。その結果は、16件のプロジェクトが条件付の登録、4件のプロジェクトが非常に残念なことに、登録できなかった。登録の際、これらのプロジェクトについて非常に激しい討論がなされた。特に廃熱回収プロジェクトの場合、企業IRRは、投資決定にて証拠とする。当然、数回討論を経て、このプロジェクトは登録を得たのであり、それに関わる類似的な政策問題点が解決された。今後も類似的なプロジェクトは登録申請する際に容易になるであろう。登録できなかった4件のプロジェクトのうちの一つは、山西コークス業界での廃熱プロジェクトであった。このプロジェクトにおけるグリッド電力購入量は、廃熱発電グリッド電力量の10%しか占めない。従って、前回EB会議にて出た意見に基づき、コークス業界でのベンチマーク収益率の適用は投資決定の証拠とならない。中国の発電業界でのベンチマーク収益率は8%か10%を適用され(小規模の水力発電プロジェクトなど)12%ベースラインのデータがない。この4件のプロジェクトには、例外なく、12 %IRRが一切に採用されていて、大量の証拠でベースラインのデータ応用の合理性を証明した。

プロジェクト事業者とDOEからの回答・証拠によると、非常に説得力がある。しかし、多くのEB、秘書、RITメンバーが、中国の発電業界では8%または10%が認められるが、ベンチマークの12%を受け入れることはない。だから、この4件のプロジェクトは、今回に完全に失敗したのである。

続けて強調したい点は、再審査後条件付の登録になるプロジェクトは、回答が要求に合わず、必要な証拠を提出しない場合、最終登録ができない可能性がある。

条件付登録になるプロジェクトは、回答するのに12週間ある。この時間を十分利用して、この問題点を徹底的に検討し、回答を正確に行い、できる範囲で証拠を提供すれば、最終的に登録できるであろう。プロジェクト事業者、DOEが、この唯一の機会を十分に重視、活用する必要がある。同時に特に注意すべき点は、12週間以内に回答しなければならない点だ。期限が切れると諦めたものと見なし、拒否コラムに直接に入れられる。実際に期限内に回答しなかったプロジェクトがあった。EBが現在この規定を再び表明したのだ。

その他、強調したい論点は、プロジェクト事業者とEBとのコミュニケーション・連携を重視すべきであるということだ。DOEの提出する確認報告書はEBの規定に準じなければならない。中国の状況にて、EB38会議に54項目もの要求に関わるものがあり、該当箇所は54(C)項である。DOEが業界知識でこの報告書の数字を分析・対比し、このデータが合理的かどうかを独自に判断する。今回、1件のプロジェクトにて、プロジェクト事業者からの回答が非常に円満なものがあった。しかし、DOE確認報告で非常に専門的ではなく、このプロジェクトはほとんど拒否されたことがあった。DOE検証の水準の問題で、このプロジェクトが拒否されれば大変残念なことである。従って、プロジェクト事業者がDOEとの緊密なコミュニケーションを保つ必要がある。

 

(三)CER発行審査:

我が国の3件のプロジェクトが発行申請した際に再審査されたのは、LINHAIのHFC23、JINAN鋼鉄所、HANDAN鋼鉄所の廃熱回収プロジェクトである。討論を経て、この3のプロジェクトについてのCER発行がスムースに行われた。しかし、正式に発行される前、要求に沿った修正済みの報告書を提出する必要がある。前回再審査に入ったのは、ZEJIANGのHFC23プロジェクト。今回は審査後CER発行がスムースに行われた。最終の発行前、要求に沿った修正済みの報告書を提出する必要もある。

最近、ある友人が言ったのは、多くのプロジェクトにて実際のモニタリング計画が元の計画に準じないものがあるというのだ。ここに、私が再び注意を与えるのは、プロジェクトにて提出し批准されたモニタリング計画、及びモニタリング方法論の要求に準じない場合、不運なのはプロジェクト事業者であり、EBから最大な罰を与えられる可能性があり、排出削減量の発行を拒否されることがある。EBが排出削減を差し引く可能性がある。実施されるVVMを公布する。モニタリング計画のための要求は非常に厳しいものである。モニタリング計画に従うものを実施できない場合、事前Deviationを申請しなければならなく、或は理論上に排出削減量を最も保守的に計算する。そうすれば、プロジェクト事業者が巨大の損失に直面する可能性が高いであろう。

EB42回会議について

学都 

科学技術部

2008926

 

 

 

2008921日-26日、EB42回会議がドイツで行われた。921日―23日は非公式会議、92426日は公式会議で、合わせて6日間、通常の会議より1日多く開催された。それは審査するプロジェクトがあまりにも多く、プロジェクト審査は延期できないためである。今回の会議の重点項目は、前回の会議以来EBメンバーが提出した審査すべきプロジェクト、前回会議でレビューされたプロジェクト、VVMDOE委任及び委任プロセス修正、方法論委員会に関すること、小規模プロジェクトワーキンググループ及び造林ワーキンググループが推薦した批准事項などがあり、討論された内容が非常に多かった。

 

以下が会議の主な内容及び重要なポイントのまとめである。

 

1.     方法論に関して

今回の会議では、三つの新しい方法論が承認された。

AM0070 - "Manufacturing of energy efficient domestic refrigerators"

AM0071 - "Manufacturing and servicing of domestic refrigeration appliances using a low GWP refrigerant"

AM0072 - "Fossil Fuel Displacement by Geothermal Resources for Space Heating"

 AM0070AM0071は前回のEB会議で承認できず、方法論パネルが改めて修正した方法論で、AM0072は中国の石家庄地熱による熱供給の方法論である。会議ではその他、AM0009AM0058AM0064ACM0008、及びACM0010の一連の方法論の修正が承認された。

 

2.     DOE委任に関して

 私の要求に応じて、今回の会議では、DOEのボトルネック問題と解決方法について重点的に討論され、相応した決定が出された。すでに存在するDOEを新たに認定する際、証明審査は行われなくてもよい。新しいDOEの申請に対して、書類審査に合格した後、サイト審査を受け、有効化審査能力を検証する。もし、有効化審査をするプロジェクトがなければ、CDM認定パネルは審査するためのプロジェクトをそのDOEに提供する。EBはできるだけ新しいDOE委員基準とプロセスを公表し、EB44回会議でこの問題を解決する予定である。

 今回の会議のこの決定事項は、現存のDOE委任プロセスを大きく簡略化・促進できる。一旦この政策が正式に施行されると、条件を備えた機構がDOE資格を申請すると、現在、DOE資格を取得するのに2年間以上かかるものが、半年以内に許可が出るようになる。しかし、同時にDOEのルール違反に対する処罰も増えた。もし、DOEEBの決定した職責に沿って業務ができなかった場合、警告、資格一時停止、経済的罰則などを負わなければならない。これからのEB会議では、DOE委任の新基準及び処罰などについて詳しく討論していくことになる。DOE委任の改革の論点は二つあり、ひとつは許可する基準を緩めて、もうひとつは逆にルール違反の行為にはその処罰を厳しくしていく。この決定は、DOEのボトルネックを解決していく際、根本的に改善するのに重大な意味を持つだろう。

 EB会議は、一部のDOEが稼動一年以上のプロジェクトを受け付けない方針について厳しく批判した。それらのDOEに対してすぐにでもこの誤った方針を改正するように要求した。それでも改善しないDOEは、次回のEB会議でDOE資格を一時停止にする処罰を受けることになる。EBはこれらのDOEに正式に通告をする。また、多くのDOE審査員さらに技術総監督は、しばしばレベルが低く論点のずれた質問をする。もしこの状況が続くと、プロジェクト事業者の公訴やエビデンスの提出により、DOEは資格を一時停止される可能性がある。なぜならこのようなDOEは現地における業務の知識や業界の知識を持っていないためである。これらの知識はDOEとして認定されるための重要な基準と条件である。ここでは、私は中国でCDM業務を行うDOEに、ぜひ関連業界の知識や現地での知識のレベルをアップして欲しいし、でないと事業者がEBに「このDOEは業務に関する知識と能力を持っていない」と公訴され、その証拠も充分であれば、資格が一時停止される可能性が非常に高くなるので、ここで警告をしておきたい。

中国国内では実力のある機構が、すぐにでもDOE申請をする可能性について研究し、申請することを私は強く勧めたい。中国国内ではいまでもDOEが大変不足しているからだ。

 

3.     小規模方法論問題

この度三つの新しい方法論AMS III.U Cable Cars for Mass Rapid Transit System” “AMS III.V Decrease of coke consumption in Blast Furnace by installing dust/sludge recycling system in steel works”及び“AMS III.W Methane capture and destruction in non-hydrocarbon mining activities”が承認された。ほかには、四つの方法論、AMS I. AAMS III. HAMS III. I及びAMS III. Qの改正が承認された。

 

4.     VVM

 最初の計画では、今回の会議でVVMについて討論を経て実施しようとしていたが、一日討論しても結果が出せなかった。EBは次回の会議でVVMについて討論し、結論を出したいということで合意した。

 

5.     我が国のプロジェクトにおける審査の結果

 

(一)Request for reviewされたプロジェクトに対する審査:

今回、我が国の34のプロジェクトが、登録申請した際にRequest for reviewされて、その数は前回より12多かった。審査後、17ものプロジェクトが条件付き登録になり、この 17のプロジェクトにおける報告書の再提出が求められた。この17の事業者及びDOEは要求された通りに報告書を提出しなければならないのである。時間的制約はないので、Under Reviewされないように、事業者と、DOEは十分な時間を使って慎重に修正することが望まれる。Under Reviewを行う必要があるプロジェクトが17あったのは非常に残念なことである。(主要なレビュー問題に関しては、下記(五)(六)(七)にて記すこととする。)例えば方法論ACM0004を応用し、ベースラインを選ぶ際に、プロジェクト周期内、固定の電力価格しか考慮しなかった。固定電気価格を適用するのは合理的か否かを分析することはUnder Reviewにおいて要求される。もし将来の電力価格が予測できない場合、その理由を説明しなければならない。この問題は容易に解決できるはずである。私は、前回のEB会議レポートでこの状況を紹介した。

 

(二)ベンチマーク値の適用:

化学工業、セメント産業等のIRRベンチマ-ク値は、廃熱・廃棄ガス発電の標準ベンチマ-ク値とする。現在までは、EBが特別の明確な政策を規定してこなかったが、今回次の2つのポイントが明確にされた:①自家用の発電所の場合、EBはその業界のベンチマ-ク収益率を取り入れることに同意する。②専用発電所によって発電してグリッドに売電するような場合、電力産業のベンチマ-ク収益率を適用する。ある企業は自家用の発電所を明確にせずに、先ず発電量はグリッドに入れて、同時にその企業も生産用の電力を購入した場合、グリッドに入れた電力と購入した電力の差を計算できる。もし購入した電気量がグリッドに入れた電気量の75%以上を占める場合、自家用の発電所と見なし、その業界のベンチマ-ク収益率を取り入れることができる。一方、もし購入した電気量がグリッドに入れた電気量の25%にも至らない場合、その企業は発電所と見なし、電力産業のベンチマ-ク収益率を適用するべきとなる。しかし、購入した電気量はグリッドに入れた電気量の25%~75%を占める場合、現在にはどのような基準を取り入れるかがまだ明確にされていない。

 

(三)会社の内部収益率について:

その内部収益率も非常に高い場合、投資分析ガイドラインに基き、その会社は“同様のリスクと似たプロジェクト”の実績があったということを証明すべきである。現在では、この“同様のリスクと似たプロジェクト”を法律面から分析すると、その解釈が違った。しかし、廃熱発電プロジェクトを運営する場合、同様のベンチマ-ク収益率を採用しても大きな問題はないであろう。

 

(四)売電するプロジェクトの投資分析について:

発電してグリッドに売電するプロジェクト(ACM0002方法論のアプリケーション)にて投資分析する際、プロジェクトライフサイクルの中に、同一の規定電力価格を適用する。EBは、なぜ電力価格変動の代りに固定電力価格を採用するのかについて考えを示すことを要求した。その主な原因として、もしグリッド電力価格が上ったら、プロジェクト内部収益率はベンチマ-ク収益率を超える可能性があるためである。それゆえそのプロジェクトの追加性がないと判断される。

 

  なぜ固定電力価格を適用したのであろうかということについて、数人のトップクラスの専門家との検討を通じ、下記いくつかのポイントが参考となる(これはあくまでも参考程度のもので、判断は各事業者に委ねる)

 

1.       中国国内でプロジェクトF/S分析を行う際、関連の規定に基き、計算の正確性、及び評価結果へ影響を与えないよう、資金投入、製品生産との同年の統一価格、一切の価格には現行価格を採用する。(中華人民共和国水利省の公布した水力発電「1995」186書類「小型水力発電プロジェクトにおける経済評価の規定」(SL16-95)修正版(中華人民共和国水利省「2002」国科綜便字第07号「現行有効水利工事技術標準の公布」- 該標準はまだ有効)電力工事技術改造プロジェクトにおける経済評価の暫定方法等)その固定価格は、関連の規定に基き、IRRの計算を行う。現在には中国のF/S報告書を固定価格にて作成するのが慣例である。

 

2.       中国における電力価格の政策は中央政府が厳格に管理しており、国家の調整によらないことは、電力価格の変動が大きくならないことを意味する。国家が物価安定を確保するため、電力価格等のベース価格を厳格に管理している。発電企業としては、電力価格の上昇を予想して投資決定を決めることはあり得ない。電力価格の調整は、いくつかの政府部門が関与する必要があり、さらに中央政府より許可を得る必要がある。これは発電企業が予測して、コントロールできるものではない。したがって、プロジェクトは事前にこの価格の上昇を考えられないし、投資分析の時も考慮できない。もしF/S分析の時、電力価格の変動を考えれば、燃料や、人件費等の変動も自然に検討する必要がある。これは、実際に運営するには不現実なものである。

 

3.       電気売買契約を分析すると、一定の期間内にも固定電力価格を取り入れている。あるプロジェクトは、既に発電をしている場合、既に電気売買契約があり、その契約にある電力価格は、固定電力価格の証拠と見なされる。実際、多くの発電所におけるグリッド電力価格はある電気売買限度額内に定めている。しかし、その限度額以外、低下変動の電力価格も採用される。もしプロジェクトが固定の電力価格を採用する場合、これはもっと保守的なやり方と言える。

 

4.       電力価格記録による曲線で電力価格の変動趨勢を判断してIRRを計算する場合、同時に運営コスト等が上昇することも考慮しなければいけない。その運営コストが上昇するのは、電力価格の上昇よりも極めて高かったものである。国内のある地方省においては、ここ数年内、再生可能エネルギーからグリッドへの売電価格が下がる趨勢であった。主な原因は過去に再生可能エネルギーからグリッドへの売電価格を高く得られたものの、現在、入札制度を採用しているから、逆に低下趨勢になっている。従って、ここ数年における、グリッドへの売電価格の変動、物価上昇(特に人件費、設備、メンテナンス、部品代金等の上昇)を考慮できるのであろう。その関連機関がこの問題を回答する時に、信頼できる、前後一致する、十分な証拠の提出と説明を行う必要があろう。 

 

(五)プロジェクトでRequest for review された問題点:

プロジェクトでRequest for review された問題点は、廃熱、廃圧、廃棄ガス等における価格の合理性にある。またその他、DOEEBはガイドラインに準じ、そのF/S報告書を審査したかどうか、特にDOEは、現地の知識や業界知識をもって、プロジェクト中に取り入れられているデータが合理であるかどうかを比較して分析したかどうかが問われた。(別のCDMプロジェクトのデータを引用して比較するだけではだめである)さらに、バリア分析を使った場合でも十分な説得力を持たなかったケースもある(例えば銀行の手紙があっても具体的な内容無等)。

           

 

(六)Under Reviewされたプロジェクトの状況:

前回の会議では我が国の18のプロジェクトがUnder Reviewに入った。そのうち15は条件付き登録になったが、非常に不幸なことに、3つのプロジェクトが登録できなかった。これはわが国において初めてのことである。

  この3つのプロジェクトは、山西にあるCDQ廃熱発電プロジェクトで、主な問題はベースラインのアプリケーション問題であり、このプロジェクトはもし再申請する場合、登録になるチャンスはまだあると思われる。二つ目のプロジェクトは河北唐山の発電所の廃熱発電のものであり、鋼鉄産業のベンチマ-ク収益率を追加性の論証基準としたので批准されなかった。三つ目のプロジェクトは、池州のあるセメント廃熱発電プロジェクトであり、主な問題は、企業内部の収益率を追加性の論証基準としたが、嘗て“同様のリスクと似たプロジェクト”も提出されなかった。

 

※特別に注意しなければならない点:

条件付き登録できるプロジェクトは、もし回答が要求に合わない、要求された証拠を提出できない場合、最終的に登録できない可能性が高い。条件付きの登録は、回答を行うのに12週間もあるので、十分な時間をもってこの問題を十分に検討してから正確に回答し、すべての提供できる証拠を提出すれば、最終的には登録できるであろう。プロジェクト事業者とDOEは、この唯一の機会を十分に重要視して、活かすことが望まれる。

 

(七)Request for review されたCER発行:

我が国の2つのプロジェクトは、CER発行の申請を行う際にRequest for Reviewされた。そのうち1つは一部分のCER発行が批准されたが、そのほかの部分は批准されなかった。主な原因は計算が間違っていたことである。もう1つのプロジェクトは、実際に執行されたモニターリングと既に批准されたモニターリング一致しなかったので、Deviationを申請してから発行を申請するしかないと思われる。

 

※特別に注意しなければならない点:

あるプロジェクトは、批准されたモニターリング計画の要点に沿って行われない。例えば発電量の場合、ある企業が勝手にモニターリング周波率(毎時間が毎日に変更された)を要求に沿わずに修正した(1回/年を1回/6年に変更した)、などである。EBはこれらの行為に対して、CER量を減少する、さらにCER発行を拒否することもあるだろう。

そのほかもう一つの注意すべき点は、あるプロジェクトが元の計画にそって執行されなかった。例えば、設備台数の増加(よく見られるケース)、このケースもプロジェクトが再び拒否される可能性をもたらす。従って既に登録できたプロジェクトは、確認された建設計画、モニターリング計画に沿って行わることを特に重要ししなければならない。でなければ、CER発行できないかもしれない危険性がある。

 

 

EB 第41回会議 レポート

 

 

 

今回のEB41 会議では、審査を受けるプロジェクトは中国のものが最多である。初回審査プロジェクトは22件、再審査プロジェクトは7件、発行初審査プロジェクトは2件である。また、条件付の登録プロジェクトについて再度審査が要求された。政策面では、今回の会議では、検証と認証、プロジェクトの開始時間の定義(プロジェクト審査に与える影響大)、プロジェクト開始前に、「真剣にCDMの収益を考慮した」というエビデンス、プロジェクト関係者の連絡方法、方法論、DOEの委任問題等について議論された。

 

 

  主 要 議 題 

 

 

1、   「プロジェクト開始時期」の定義

 

本会議では新たにプロジェクトの開始時期の定義に関し議論がなされた。その定義とは、「プロジェクトにおいて実質的な行動(投資等)がとられた状態」を「開始」という。例えば、設備購入協議、工事契約など,これらの行動のうちで最も早い時期を基準とする。プロジェクト開始前の費用、例えば、FS調査などは全て投資分析コストに入れることができる。この新しい定義は、プロジェクトの事実確認プロセスや、PDD開発などもっと便利に実行でき、非常に役立つだろう。

 

 

2、   工事再開時におけるプロジェクトの投資分析の計算方法

 

プロジェクト工事を開始する際にCDM収益を考慮せず、その後様々な原因によって工事を停止するようなケースにおいて、その後CDM収益を考慮し工事再開するようなプロジェクトについては、その開始時期を、「CDM収益を考慮した後、工事を再開する時期」とする。それ以前に発生する費用は、投資分析コストに入らない。ただし、プロジェクトが既に投資され、有形資産になった場合は、公認の専門家によって評価され、具体的な価値が付けられ、この部分の価値は投資分析コストに入れることができる。この決定は中国の一部の同種のプロジェクトを救ったであろう。

 

 

3、   CDM収益の考慮」を証明するエビデンス

 

200891日から開始するプロジェクトは新プロジェクト、その前に開始したプロジェクトは当面のプロジェクトと見なす。新プロジェクトに対して、事業者は必ず工事開始後6ヶ月以内にそのプロジェクトをCDMプロジェクトとみなすことを、その国のDNAあるいはUNFCCC事務局に通告しなければなりない。この通告が、「プロジェクト開始前にCDM収益が考慮され、プロジェクトがスタートした」旨のエビデンスとなる。DOEはプロジェクトを審査する際に、DNAUNFCCC事務局にこのエビデンスを確認する必要がある。当面のプロジェクトについては、二つのエビデンスが必要である。ひとつは「プロジェクト事業者がプロジェクトをCDMプロジェクトにする決定を出した理事会会議紀要あるいは類似ファイル」で、もう一つは、「事業者とCDM開発者間で結ばれたCDM(コンサルタント)サービス契約、あるいはCER売買契約などの類似ファイル」である。この決定は、今まで事業者、CDM開発者及びDOEがずっと議論してきた問題―『プロジェクト前にCDM収益をいかに考慮し、問題を完全に解決できるだろうか。』―という議論であり、であるならば、プロジェクトの開発と審査などのプロセスをスムーズにすることで促進ができるだろう。

 

 

4、   UNFCCC事務局及びDOEによる、プロジェクト審査期間の長期化

 

審査した結果、事務局のコンプリートネス・チェックに関するワークタイム表が通った。こうすると事務局の仕事を引き延ばす問題を根本的に改善できるだろう。現在、事務局はプロジェクト登録料納入後30working days以内に登録のコンプリートネス・チェックを終えねばならない。また、DOEの意見提出時間に関する問題について会議で議論された。DOEと対話する際、まずDOE自身がタイム表を決めることが要求された。DOE自身がタイム表を作らない場合は、EBはタイム表を規定する。これはDOE審査のスピードを大きく促進するだろう。

 

 

5、   検証と認証メニュー(VVM

 

このメニューは検証・認証段階のプロジェクトに大きな影響を及ぼし、検証と認証のスピードアップにもつながるだろう。非常に複雑で、今回3分の1しか討論できず、次回会議中に討論を終え、その結果を公布・執行する予定である。

 

 

6、    他の重要な論点

 

(1)「EBメンバーの行動規範」、(2)「EBメンバーの特権及び免除」、(3)「現在方法論AM0001での、HFC23排除率0.5の問題」、(4)「プロジェクト関係者とEBの間の連絡方法」などがある。

 

(1)、「EBメンバーの行動規範」は次の会議で引き続き討論される。

 

(2)、「EBメンバーの特権と免除問題」については、問題が解決できず、メンバーたちがプロジェクトに不利な決定を下す時には、関連機関に訴えられることを恐れている。従ってメンバーの多くは国連職員のような特権や免除をといった権利を要求している。しかし、この問題はすぐには解決できるものではない。

 

(3)、「現在方法論AM0001での、HFC23排除率0.5の問題」。あるNGOEB手紙を出し、AM0001方法論の中のHFC23の排除率を現在の最も高い3%から0.5%に減らすべきだと要求した。しかし、EBはこれに対して激しい議論を交わし、最後にはエビデンス不足を理由に、「もしこの排除率を減らすべきエビデンスがあれば、EBに提供しなさい」との返答をした。この問題は中国のHFC23プロジェクトに大きな影響が及ぼすことになるだろう。

 

(4)、「関係者の連絡方法」については、国内の多くの機関や企業は重視していない。

ところが、この問題は非常に重要であり、上手く処理できなければ多国間訴訟を引き起こす可能性が高くなる。一部のプロジェクトが既にこのような問題を起こしEBは次回の会議では具体的な指針を出すのであろう。

 

 

7、5つのDOEが事業開始一年以内のプロジェクトしか審査しない問題

 

 DOEと対話し、EB内部にて討論がなされた際、この問題に対して皆強く反対を示し、DOEのこの誤ったやり方を改善することが要求された。EBの最終レポートには、いくつかのDOEのこのようなやり方に非常に注目し、DOECDMを実行する規則を制定する権利を有するのはEBだけであり、DOEEBが制定した規則を実行するだけで、自ら規則を制定することはできないとの考えが示された。この決定はEBから5つのDOEに対する正式的な回答であり、結果、これらのDOEたちのやり方に対して同意しないということが明らかになった。

 

 

8、中国プロジェクトの審査結果

 

(1)      登録初審査のプロジェクト:  

22件の登録初審査プロジェクトの中、6件のプロジェクトは条件付きの登録となった。この6件のプロジェクトは新たに関連ファイルを提出する必要がある。関連する機関及びそのDOEはファイルを提出しないと、再審査になる可能性が高い。

 

そのほかの16件のプロジェクトは再審査になった。その理由として主に3種類の問題がある。

一つ目はACM0004方法論のベースラインを限定する時、プロジェクト周期内では固定電力価格だけを考慮している。再審査では、その固定電力価額は合理的かどうか、もし、将来の電力価額が予測できない場合でも、その理由を説明する必要がある。実際、Mr. Xuedu Luが何度も求めた結果、EBは、「電力価格が変化する状況の下で電力を購入するシナリオを分析し、プロジェクトシナリオと関連する要因(例えば、管理と運営コスト)も変化する状況の下で、二つのシナリオの現在価値(NPV)の比較関係が依然として変わらないということが証明できれば、グリットから電力を購入するのがベースラインであるという結論が成立する。」とした。

二つ目は電力業界の基準値ではなく、化学工業あるいはセメント工業などの内部収益率基準値を標準基準値とする。この問題は、PPDOEからもっと詳しい説明を受ける必要がある。これは政府指導ファイルにある規定であり、広く適用される。銀行などの部門もこれによってお金を貸し付けるかどうかを判断する。エビデンスと説明は詳しければ詳しいほどよい。もし、政府部門や銀行部門など権威ある部門のエビデンスがあれば、最も理想的と言えよう。

三つ目は、余熱、余圧、廃ガスなどの価格確定の合理性、企業内部収益率を基準収益率にする信頼性、バリア分析の説得力が弱いなどである。関連する機関はこれらの問題を迅速に回答するとともに、十分、且つ信頼性があり、さらにエビデンスと一致する説明が必要である。

 

(2)     再審査プロジェクト状況:  

全部で7件の再審査プロジェクトがある。「事業開始、停止、再開」の費用を計算する問題を解決できたため、中国の3つの水力発電プロジェクトは条件付登録となった。条件としては、新しい指針で事業開始前の費用を新たに計算する。それから、プロジェクトの内部収益率は基準収益率を下回るかを計算する。そのほかに、いくつかACM0004方法論に関わる二種類の違うベースラインシナリオで将来の電力価格、運行価格などが変化するとき、ベースラインの選択が変化するか否かの論点であり、これは、(1)に説明した内容と同一である。この7つのプロジェクトは条件付登録が出来たが、最後一回のチャンスしかなく、もし、EBへの回答が完璧でなかったら却下される結果になるしかない。だからこそ、PPDOEはこの唯一の機会を十分に重要視しなければならない。12週以内に回答すればいいため、充分な準備時間があるだろう。

 

(3)     発行審査:

二つの発行審査プロジェクトが承認をもらった。特に注意すべきなのが、ある国ではすでに批准したモニタリング計画にそってモニタリングしていない例がみられる。例えば、発電量のモニタリング頻度を勝手に変更し(毎時間から毎日に)、メーターに対するモニタリングも要求に沿っていない(毎年一回から六年一回に)などといったことである。EBはこのような行為が見受けられるプロジェクトが獲得した排出削減量を大幅に減らす、或いは発行を拒否することさえ有り得る。 

 

(4)     初審査条件付後に再審査に入るプロジェクト

今回の会議では、3件の過去に承認を受けた条件付プロジェクトが再審査を受けた。中には、中国江蘇のプロジェクトも含まれる。このプロジェクトの主要な問題も、上で述べたACM0004方法論に関わる二種類のベースラインシナリオの比較問題が含まれる。

 

このような結果を手に入れるのは生易しいことではない。いくつかのプロジェクト審査に関する重要な問題は明確な指針が出されて、実行するのも便利になるであろう。指針を討論するプロセスは困難であり、再開するプロジェクトの費用の計算問題、プロジェクト開始の定義、及び「真剣にCDM収益を考慮する」有効なエビデンスなど。7つの再審査プロジェクトの通過も容易ものではない。