オバマ次期米大統領の環境アドバイザーは12日、新政権発足後の早期に新しい対策を打ち出す考えであることを明らかにした。一方、関係者の間では2009年中に米国で排出権取引が開始されるのは難しいとの声も出ている。
大統領選でオバマ氏のエネルギー・環境アドバイザーを務めたジェイソン・グルメット氏は、ワシントンで開かれた排出量取引の会議にて、ブッシュ政権が温暖化問題にほとんど対処していなかったと指摘。その上で「オバマ氏は気候変動へ迅速に対応する考えだ」と述べた。
次期エネルギー省長官とも目されるグルメット氏は、具体的な政策については言及しなかったものの、「2009年は非常に忙しい年になるだろう」と語り、新政権がスタートすれば速やかに対策を講じることを示唆。
米国は、二酸化炭素の削減目標を掲げた京都議定書に、先進国の中で唯一批准していない。同議定書は2012年に失効するが、来年12月にデンマークのコペンハーゲンで、ポスト京都議定書の国際的な合意がなされる予定。しかし、主要な企業に排出量の上限を設定する「キャップ・アンド・トレード」方式の排出量取引が、それ以前に米国で開始するのは難しいという見方もある。
上院エネルギー委員会のジェフ・ビンガマン委員長(民主党、ニューメキシコ州)は、気候変動に関する法律が制定されるより、代替エネルギー開発やエネルギー効率改善を趣旨とした法律の方が早く制定されるという考えを示す。さらに現在の金融危機によって、議会での審議にも遅れが出る可能性があるとしている。
また、気候変動に関する非営利団体、ピュー・センターのアイリーン・クローゼン代表は、時間が経てば排出量取引への気運が衰えると危惧。同取引の開始は「10年中がより現実的だろう」と話している。


