CDM関連

2008年のクリーン開発メカニズム事業の状況が公表され、既に4200件以上のプロジェクトが、登録済みまたは登録申請・有効化審査の途中にあることが明らかになった。2004年のプロジェクト件数は僅か60件だったが、ここ数年で急増した。
 このうち、最も件数が多かったのは中規模・小規模の水力発電事業で、次いで、バイオマスエネルギー、風力発電、工場の廃熱を利用した発電が多かった。また、国別では、中国で実施される事業が最も多く(1557件)、インド(1135件)、ブラジル(329件)の順となっている(2008年11月時点)。
 最近は、この3カ国以外の国々でのプロジェクトも徐々に増えつつあり、中国とインドを除くアジア・太平洋地域の事業件数は、2004年の5件から、2008年には550件に増加した。また、ブラジルとメキシコを除く、南米・カリブ海諸国の事業件数も、2004年の19件から、2008年には290件に増加している。
 今後、事業件数は、2012年までに8000件に到達する見込み。これにより、16億トン分の炭素クレジットが発行され、先進国から途上国に300億ドルの資金が提供されるという。

EICネット

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量について、2020年時点での主要国別の削減可能量を、経済産業省所管の財団法人「地球環境産業技術研究機構」(RITE)が試算したデータが明らかになった。

 省エネ設備の導入などで1トンあたりの削減に50ドルかけた場合、20年の世界全体の削減可能量の53%が中国・米国・インドに集中。京都議定書(2008~12年)で削減義務を負わないこの3か国が、新たな枠組み作りで削減に取り組む重要性が裏付けられた。国別の具体的な削減可能量が判明するのは初めて。

 試算は、世界を54地域に分け、発電や鉄鋼など産業ごとに省エネ技術導入で削減可能な量を積み上げる「セクター別アプローチ」の手法を採用した。05年時点のエネルギー効率や産業構造が続くと仮定して計算した。

 世界全体の05年の排出量は262億トン。試算では、20年には488億トンに増えるが、1トンあたり50ドルかければ252億トンに抑えられる。国別では、50ドル負担により、中国(05年で51億トン)が113億トンから48億トンに抑制され、削減可能量は65億トンで最も多かった。

 日本の場合、05年は12億トンで20年には17億トンに増えるが、50ドル負担で12億トンに抑えられるという計算。

 部門別では、中国、インドの石炭火力発電の効率化や米国での車の燃費向上の削減効果が大きかった。

 来月のポーランドでの気候変動枠組み条約第14回締約国会議で、13年以降の枠組み交渉が本格化する。同研究機構の秋元圭吾副主席研究員は「世界的な金融危機もあり、費用や効果を無視した議論はあり得ない。どの地域でどんな行動をとれば、どれだけ削減可能か、各国が共通認識を持つ必要がある」と話している。

読売新聞

 オバマ次期米大統領の環境アドバイザーは12日、新政権発足後の早期に新しい対策を打ち出す考えであることを明らかにした。一方、関係者の間では2009年中に米国で排出権取引が開始されるのは難しいとの声も出ている。

 大統領選でオバマ氏のエネルギー・環境アドバイザーを務めたジェイソン・グルメット氏は、ワシントンで開かれた排出量取引の会議にて、ブッシュ政権が温暖化問題にほとんど対処していなかったと指摘。その上で「オバマ氏は気候変動へ迅速に対応する考えだ」と述べた。

 次期エネルギー省長官とも目されるグルメット氏は、具体的な政策については言及しなかったものの、「2009年は非常に忙しい年になるだろう」と語り、新政権がスタートすれば速やかに対策を講じることを示唆。

 米国は、二酸化炭素の削減目標を掲げた京都議定書に、先進国の中で唯一批准していない。同議定書は2012年に失効するが、来年12月にデンマークのコペンハーゲンで、ポスト京都議定書の国際的な合意がなされる予定。しかし、主要な企業に排出量の上限を設定する「キャップ・アンド・トレード」方式の排出量取引が、それ以前に米国で開始するのは難しいという見方もある。

 上院エネルギー委員会のジェフ・ビンガマン委員長(民主党、ニューメキシコ州)は、気候変動に関する法律が制定されるより、代替エネルギー開発やエネルギー効率改善を趣旨とした法律の方が早く制定されるという考えを示す。さらに現在の金融危機によって、議会での審議にも遅れが出る可能性があるとしている。

 また、気候変動に関する非営利団体、ピュー・センターのアイリーン・クローゼン代表は、時間が経てば排出量取引への気運が衰えると危惧。同取引の開始は「10年中がより現実的だろう」と話している。

ロイター

 環境省は12日、2007年度の温室効果ガスの国内排出量(速報値)が13億7100万トンとなり、前年度比2.3%の増加になったと発表した。新潟県中越沖地震の影響で原子力発電所の稼働率が低下し、火力発電で代替したことで二酸化炭素(CO2)の排出量が増えたことが要因で、2年ぶりの増加で排出量は過去最大、京都議定書の基準年(原則1990年度比)からは8.7%上回る。

 日本は、京都議定書の第一約束期間の2008--2012年度の5年間の平均排出量を1990年度の12億6100万トンから6%削減する目標を掲げている。森林吸収対策で3.8%減、京都メカニズムによる排出枠の購入で1.6%減を確保することになっており実質的な削減目標は0.6%で済むが、2007年度の排出量の13億7100万トンと比べれば9.3%の削減量が必要になる計算となり、目標達成は厳しい状況になっている。 

 2007年度の排出量の増加の要因は、地震で原子力発電所の利用が減るとともに渇水で水力発電所の電力量も減ったことで、火力発電所の運転量が増えて電力の排出にあたる原単位(エネルギー効率)が悪化したことが大きい。環境省は、電力業界がエネルギー効率を目標どおりに改善させれば、2007年度の排出量から必要な削減量が1.1%に圧縮されるとの試算も公表した。

日経ビジネス

 二酸化炭素排出量売買の取引価格が内外市場で急落している。排出枠市場が最も整備されている欧州の取引価格は7月上旬の最高値に比べ34%下落した。国内で目安になる日経・JBIC排出量取引参考気配は7月中旬の最高値から46%下がった。原油価格の急落によって石油や天然ガスより割安だがCO2の排出量が多い石炭の使用が減少し、欧州の電力会社の排出枠購入が減るとの見方が広がった。

 取引の対象は内外市場とも途上国で温暖化ガスを削減する「クリーン開発メカニズム(CDM)」に基づく国連発行済み排出枠。ロンドンの欧州気候取引所(ECX)では10月31日、2008年12月受け渡し期限の京都クレジット価格は15.05ユーロ。7月7日につけた最高値の22.94ユーロから34%低い。

日本経済新聞

 財務省は27日午前に開いた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に提出した資料で、京都議定書による日本の温室効果ガス削減目標の達成に関し、排出権の購入手法を変えることによって900億円規模のコスト削減が可能になるとの試算を明らかにした。
 財務省は環境対策に向けた政府全体の効率的な予算配分を検討するため、財政審に関係予算の資料を提出。海外からの排出権獲得方法を、途上国で共同事業を行うクリーン開発メカニズム(CDM)から、環境対策に投資をして排出権を得るグリーン投資スキーム(GIS)に切り替えることで大幅なコスト削減が可能と試算した。
 試算では、排出権購入が必要とされる1億トンのうち、すでにCDMで取得した分を除いた約7600万トンをGISで取得すれば約900億円強の節減が可能とした。政府は取得コストが安いGISによる排出権獲得を進める方針で、財務省は省庁間における環境対策の重複を精査し効率的な予算配分を実施する考え。

フジサンケイ

 石油連盟の天坊昭彦会長(出光興産社長)は22日の記者会見にて、二酸化炭素(CO2)排出枠を売買する国内排出量取引制度への対応について、石連として業界団体単位で参加できるよう週内にも政府に要望する意向を明らかにした。天坊会長は「(温室効果ガス削減の)目標は業界で決め、努力している」と説明した。

時事通信

 政府は21日、地球温暖化対策推進本部を開き、国内排出量取引制度の試行実施を正式決定した。二酸化炭素(CO2)に取引価格を付け、市場メカニズムを活用することで削減努力や技術開発が進むかなどを検証するのが狙い。政府は同日、参加企業の募集を始めた。早ければ2009年の年明けにも実際の取引が始まる見通し。

 募集期間は12月12日までで、参加主体は事業所、個別企業、企業グループとし、原則として業界団体での参加は認めない。取引対象の温室効果ガスはCO2。参加者はCO2削減の目標を自主的に設定し、過不足分を参加企業間で相対で売買する。 

 排出枠として取引するのは、目標超過達成分のほか、大企業が中小企業の削減を支援する「国内クレジット」、先進国の企業などが途上国の排出削減を支援する「京都クレジット」の3種類。排出枠の取引価格は取引参加者に情報提供していく。排出量取引制度導入の是非を議論する際に、反対論者が指摘した「マネーゲームの弊害」を排除するため、取引参加者は、前月に行った価格等の取引情報を政府に報告する。政府は、問題があると認めた場合は取引参加者から事情聴取することができる。 

 削減目標の設定では、参加者は「排出総量」か生産量など一定の経済活動当たりの排出量である「排出原単位」のどちらかを選択する。原単位目標の場合、原単位実績が原単位目標に比べ改善したかどうかに着目。原単位が改善しても生産活動が活発だった場合、排出総量は過去の実績に比べ増えることもあるが、原単位が改善すれば排出総量は「減った」とみなされ、原単位改善分とその年度の生産量を掛け算した数値が目標超過達成分となり、排出枠として他の取引参加者に売ることができる。 

 2009年秋に試行取引の評価・見直しなどのフォローアップを行う。原単位目標を取り入れたことで、排出総量が過去に比べ増えても減ったとみなす今回の試行取引の矛盾点については、「試行であるからフォーローアップの過程でみていく」(鎌形浩史・内閣参事官)としている。

ロイター

EU-ETS(EU域内排出量取引制度)を管理する取引ログ(CITL)が近く、国連の気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局の国際取引ログ(ITL)に接続する見通しだ。事務局では、CITL接続作業のため、各国の国別登録簿との接続を17日まで停止する予定。国別登録簿は、すでに日本、ニュージーランド、スイス、ロシア、ハンガリーなどが接続済み。EUの合流により、ITLを活用した国際的な排出枠管理に一定のめどが立った。京都議定書第1約束期間の目標達成のために活用するクリーン開発メカニズム(CDM)などの京都クレジットは、各国が国別登録簿で管理するとともに、UNFCCC事務局の管理の下、ITLを介して国際間の移転が行われる。日本は世界に先駆け、昨年11月に接続を実現している。
化学工業日報
12月にポーランド・ポズナニで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP14)に向けた閣僚級準備会合が13日、ワルシャワで始まった。世界的な金融危機に関連し、各国はそれぞれの温暖化対策を緩めないことを確認。「温暖化対策を進めることは金融危機への取り組みにも役立つ」とする緊急声明の採択に向けて調整に入った。

 約40カ国が参加する準備会合は14日までの日程で開かれ、COP14で話し合う論点の整理が主な議題。ただ、金融危機で、温暖化対策に必要な途上国などへの資金供給が細る懸念が強まったことから、温暖化問題の重要性を訴える声明が発案された。

 声明案では「金融危機は、差し迫った気候変動危機に対する努力を弱める理由にはならない」として、温暖化対策が遅れれば、より大きな損失を招くと指摘。むしろ低炭素型の持続可能な経済に転換することが必要で、このことは金融危機への対処と方向性は同じだとしている。

 また、今回の金融危機で「世界的な危機に対処するために国際社会は協調できることを示した」として、温暖化問題でも同じような国際連携を求める。

 準備会合の初日は、京都議定書に続く13年以降の温室効果ガス排出削減の枠組みについて意見を交わした。焦点の一つとなる2050年までの長期的な削減目標については、議長国のポーランドが、COP14の際に非公式な閣僚級円卓会合を設けて話し合うことを提案した。

 会合では、先進国と途上国との間の溝が改めて浮かび上がっている。日本政府代表団によると、先進国からは、京都議定書で削減義務が課されていない途上国にも応分の責任を求める意見が目立ったのに対し、途上国からは温暖化対策に必要な資金を先進国が提供する仕組みづくりの提案が相次いだという。

朝日新聞

 国内の温室効果ガス排出削減・吸収増大プロジェクトから生まれた排出枠を活用するカーボンオフセット制度をめぐる議論が混迷している。環境省は3日に予定していた同制度の有識者検討会を1カ月延期。国内排出量取引の試行との関連性について調整が難航している。当初は今冬にも国内プロジェクトを投資対象とするオフセット商品が登場する見込みだったが、来春以降にずれ込む可能性も出てきた。
 現行のカーボンオフセットは国連のクリーン開発メカニズム(CDM)に登録された途上国のプロジェクトに投資するものが大半。環境省は信頼度の高い日本国内のプロジェクトを第三者機関が認証し、そこから生まれる「VER」と呼ばれる排出枠を活用する制度を考案。3月に有識者検討会を立ち上げた。

日刊工業新聞

 政府は30日、京都議定書に定めのない2013年以降の地球温暖化対策の国際的枠組み(ポスト京都議定書)づくりをめぐる日本提案を発表した。現在は温室効果ガスの排出削減義務のない発展途上国のうち、中国やインドなどを念頭に「主要途上国」との分類を新設し、法的拘束力のあるエネルギー効率目標設定を義務づけることなどが柱。12月の気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)で議論する。
 政府が同日、気候変動枠組み条約事務局に提案文書を提出した。
 12年まで続く現行議定書は日本や欧州連合(EU)には削減義務が課せられているが、排出量で1、2位を占める米国・中国はその義務を負っていない。日本は「次期枠組みでは、すべての主要排出国の参加が必要」と主張している。ただ、中国やインドなどは経済発展を妨げるとして、総量削減の義務付けには強く反発している。
 このため、これら成長著しい国を他の途上国と区別したうえで、先進国のような総量削減ではなく、鉄1トンを生産する際に要するエネルギー量などを高めることを提案している。
 このほか日本提案としては、現行議定書と同様に、先進国には国別総量目標の設定と達成を義務づける。ただ、基準年については、各国の省エネの進み具合に差異があることから、公平さを保つために、平成2年比、18年比などと複数設定して、それぞれの比較で削減率目標を示すことを盛り込んだ。現行議定書は基準年を1990年としており、すでに70年代に省エネを進めていた日本にとっては厳しい削減目標となっている。
 目標未達の罰則規定は、先進国と途上国のいずれにも盛り込まず、今後の議論とする。ポスト京都は来年末のCOP15で合意を目指すことになっている。

産経新聞

 政府は29日までに、地球温暖化対策の次期枠組みについての新提案をまとめた。京都議定書で温室効果ガス削減義務を課されていない途上国のうち、経済発展が進んだり、温室効果ガス排出量が多かったりする国については、削減義務を課される「新興国」や「先進国」の分類に移行させる仕組みを求めた。途上国「卒業」の判断指標として、1人当たりの国内総生産(GDP)や同排出量などを例示している。
 新提案は12月にポーランドで開かれる国連気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)で議論される。
 現行の京都議定書では、「先進国」と「途上国」とに2分類され、排出量が多い中国やインドも「途上国」として削減義務がない。ポスト京都では、「先進国」「新興国」「途上国」に3分類。その上で、先進国にはこれまで通り排出量の削減義務を課し、新興国には新たにエネルギー効率目標の達成を義務付ける。

時事通信

 斉藤鉄夫環境相は25日未明の初閣議後の記者会見にて、地球温暖化防止に向け政府全体で試行する二酸化炭素の排出量取引制度に参加する企業の募集を10月1日から始める方針を明らかにした。斉藤氏は「1、2カ月で参加企業が明確になり、11-12月にスタートできると思う」と述べた。

共同通信

政府は23日、チェコから京都議定書に基づく温暖化ガスの排出枠を購入するため、プラハで同国政府との覚書に署名した。チェコは日本が支払う排出枠の代金を温暖化ガス排出削減や、その他の環境対策に使用する。既に日本企業はチェコで温暖化ガスの削減事業などを実施しているが、政府間で協力する枠組みが整った。

 日本は京都議定書で、2008 - 12年度の温暖化ガス排出量を1990年度比で6%削減することが義務付けられ、うち1.6%分は海外から排出枠を取得する計画。チェコからの購入分はその一部に充てる。購入する排出枠の量や価格など詳細は今後詰める。

日本経済新聞

 2013年以降のポスト京都議定書の枠組みづくりに向け、年末に開かれる国連の会議(COP14)で日本政府が打ち出す提案内容が明らかになった。温暖化ガスの排出が急増する中・印などを念頭に、省エネ目標の設定を新興国に義務づけるのが柱。資金力のない途上国には目標を設けず、こうした国が被る温暖化影響を抑える基金の創設も提唱する。各国が受け入れやすい提案を示し全世界参加の枠組みを目指す。COP14は12月にポーランドで開かれる。政府は提案を月内にも条約事務局に提出する。

日本経済新聞

 政府は「地球温暖化問題に関する懇談会」の政策手法分科会を開き、10月中に試験的実施を目指している国内排出量取引制度について17日、議論した。

 分科会に提出された政府の原案では、温室効果ガスの削減目標については参加する企業が自主的に設定することを認めるほか、削減目標は「排出量」だけでなく、生産量など一定の経済活動あたりの排出量である「排出原単位」も認め、削減目標の過不足分を売買する制度を創設する。政府は、分科会での議論をもとに詳細を詰め10月中の参加企業の募集を開始する予定。

 日本の産業界は、2008年度からスタートした京都議定書の削減期間において、日本経団連を中心に取りまとめた「自主行動計画」を策定してガス削減に取り組んでいる。これに対し、排出量取引制度で先行したEU(欧州連合)は、政府が工場など企業の各施設に排出上限を割り当て排出削減を求めている。国内の産業界では鉄鋼や電力を中心に、政府が強制力をもって企業に排出量の上限を定めることは、企業活動の制約につながると強硬に反対している。政府の原案は、企業に排出量取引制度への参加を促す狙いで、自主的な削減目標や排出原単位の容認など企業側に配慮した内容を取り入れた。取引への参加は企業の自主的な判断に委ね、10月に試行実施される同取引制度が将来の排出量取引制度導入を前提にしたものではないことも明記した。

 政府の原案は、排出原単位削減の目標を選択した企業がこれを達成すれば、1)事前に定めた見込み生産量、2)事後に確定した生産量にそれぞれ応じて外部に売却可能な排出枠を得ることができる選択肢を示した。分科会委員として参加した日本鉄鋼連盟環境・エネルギー政策委員会の関澤秀哲・委員長(新日本製鉄副社長)は「活動量(生産量)を事業者は事前に約束することは不可能。マネーゲームを排除する観点からいずれかの選択ではなく、原単位に目標年度の活動実績を乗じて事後的に清算すべき」と主張した。

 また、原案は排出枠を実際に取引する期間については、1)排出削減の目標年度が終了する以前にも取引を実施可能とする、2)目標年度の実績を踏まえ過不足分を売買するとの選択肢を用意した。分科会委員の大塚直・早大大学院法務研究科教授は、「排出量取引は自分で排出削減するか、排出枠を購入するかどちらが安いかを選ぶのが本来の目的。事後取引ではそれができなくなる」と述べ、期間中の取引を認めるべきと指摘した。

 このほか、1)京都議定書で認められた制度で、先進国が途上国で温室効果ガス削減に取り組む「クリーン開発メカニズム(CDM)」、2)大企業が中小企業の削減支援する「国内CDM制度」、3)環境省が運営する「自主参加型国内排出量取引制度」の排出枠を売買や自主的な削減目標に充当することを認めるとしている。

ロイター

 政府が10月から始める温暖化ガスの国内排出量取引実験の骨格が固まった。企業間の排出枠の売買を円滑に進めるため、商社や金融機関などが取引を仲介することを認める。企業は実験に参加するかどうかも削減目標も自主的に決める。目標を上回って温暖化ガスを削減できた企業は余剰分を市場で売却し、目標に届かなかった企業は市場価格で排出枠を買い取り、不足分を穴埋めする仕組みとする。17日に開く福田康夫首相直轄の「地球温暖化問題に関する懇談会」の分科会に提示する。産業界と細部の調整をしたうえで、10月中に参加企業の募集を始める計画。政府は実効性のある制度にするため、できるだけ多くの企業の参加を目指す。排出量取引の実験への参加は原則、企業ごとにして、業界団体での参加は認めない。

日本経済新聞

 政府は9日、地球温暖化に関する関係閣僚会議を開き、温暖化ガスの国内排出量取引の実験について当初の予定通り10月から始めることを確認した。排出枠の取得手段を多様化することなどの制度の大枠も了承した。今後、排出枠の信頼性を確保するための認証制度を整備する。月内に実験の詳細を固め、10月から参加企業の募集を始める計画。

 会議には福田康夫首相のほか、二階俊博経済産業相、斉藤鉄夫環境相など関係閣僚が出席。国内排出量取引制度の実験は、福田首相が6月に発表した温暖化の総合対策「福田ビジョン」で表明。7月に閣議決定した「低炭素社会づくり行動計画」に盛り込んだ。

 実験に企業は原則的に自主参加する。京都議定書が課す目標達成のために業界が定めている自主行動計画に基づき、温暖化ガスの排出上限を自主的に設定することを検討している。排出上限より下回って削減できた場合は、余剰分を排出枠として売却でき、上回った場合は他企業などから購入し補てんする仕組みだ。達成すれば自主行動計画に反映できる。

日経新聞

 環境省は9日、温室効果ガスの排出削減に取り組む事業所が自主的に参加する「国内排出量取引制度」第2期(07年4月~今年3月)の実績を公表した。取引件数は51件で、二酸化炭素1トン当たりの平均取引単価はほぼ前期(06年4月~07年3月)並みの1250円。排出の合計は目標の19%減を6ポイント上回る25%減を達成。同省は「この仕組みが排出抑制の動機付けになることが確認できた」としている。

 同制度は過去3カ年の排出量の平均を基準にして目標値を設定し、過不足分を売買する。同省から排出量を少なくするための設備費補助を受けた場合、取引後も目標を達成できなければ、補助金を返還しなければならない。

 同省によると、参加61社中16社は排出量が目標を超えてしまったが、排出権の売買で全参加者が目標を達成した。取引件数は前期より27件増えたが、取引量は前期比2万7981トン減の5万4643トン。前期よりも小規模な事業所が多く、小口の取引が多かったためという。取引総額は約7000万円だった。

 政府は10月から排出量取引の国内統合市場を試行する予定で、同省は現在の自主参加型取引制度の活用を提案している。

毎日新聞

 日本鉄鋼連盟は8日、10月にも温暖化対策として政府が実施する国内排出量取引の大規模実証実験に参加する方針を固めた。既に経産省など関係省庁にも、参加の意思を伝えた模様。鉄鋼業界は電力会社とならぶ温室効果ガスの大口排出事業者で、これまでは排出量取引に慎重な姿勢を見せていたが、経産省から強く参加を求められたことや、実際に参加することで制度の実効性の問題点などを把握できると判断し、従来の方針を転換した。
 鉄連ではこれまで「キャップ(排出量上限)を決めて取引するなら、いろいろな問題が出る」(宗岡正二会長=新日本製鉄社長)と指摘し、「制度の中身を見てから、態度を決める。今のところ参加するかどうかは未定」としていた。
日刊工業新聞

 政府は、地球温暖化対策として10月からの試行を目指す排出量取引制度で、家庭や農林業、公共施設などの温室効果ガスの排出削減分も取引の対象とする方向で検討していることが分かった。制度への参加者のすそ野を広げ、「国民参加型」で二酸化炭素などの排出削減の取り組みを促す。

 経済産業省は、排出量取引の試行に向けて「国内クレジット制度」の検討を進めている。この制度は、主に中小企業が省エネ技術の導入などで削減したCO2排出量を第三者機関が認証し、大企業が買い取って自らの排出削減分に加える仕組み。経産省は排出量取引に幅広い参加者を取り込むために、この制度を家庭、農業、公共施設などにも適用することにした。例えば、電球などで省エネ性能の高い製品が一定量家庭に普及した場合、想定される製品の使用時間などを基に見込まれるCO2排出削減量を認定。製品を生産した工場や販売した小売店単位などでまとめたものを、取引できるようにする。またビニールハウスで燃料を多く使う農業や、重油を利用するクリーニング店などでも省エネを進め、排出削減分を取引対象とすることを検討している。政府は排出量取引の試行に際して、企業がさまざまな種類の排出量を取引できる統合市場の創設を目指している。

 クレジット制度で中小企業や家庭から生み出された排出削減量も取引対象とする。これまで、国内のCO2排出量削減は大企業を中心に、自主目標を設定することで進められてきた。一方で、家庭や事業所などの排出量は増加傾向にあり、排出量取引の対象に加えることで省エネ意欲を高め、排出削減を促す。

毎日新聞

 京都議定書に続く2013年以降の温室効果ガス削減体制を協議する国連気候変動枠組み条約の特別作業部会は23日、ガーナの首都アクラでの会議にて、途上国が温暖化の被害防止などに取り組めるよう技術や資金面で支援する新制度創設の検討に乗りだした。

 気候変動の影響を強く受ける途上国への資金提供や技術移転を可能にするための新制度については、すでに条約加盟国から提案が相次いでいる。ノルウェーは、二酸化炭素の排出枠を先進国の企業間で競売にかけ、この収入のうち一定割合をプールして被害対策費などにあてる仕組みを提唱。メキシコは、各国の人口、国内総生産、温室効果ガス排出量を組みあわせた指標により、各国に拠出を求める「世界気候変動基金」の創設を提案している。

 こうした提案をめぐっては、負担の増加を嫌う先進国や排出量の多い中国などからの抵抗が大きかったが、今回は特別作業部会の下に、「制度設計を含めた技術と資金の(途上国への)確保に関する作業部会」など非公式な交渉の場を設置し、検討を進めることになった。

読売新聞

 政府は15日までに、国際的な地球温暖化対策の次期枠組み(ポスト京都議定書)作りに向け、日本が提唱する産業・部門別に温室効果ガス削減に取り組むセクター別アプローチの具体案をまとめた。途上国に対しては、鉄鋼やセメントなどセクターごとの削減可能量を分析するよう要請するに留め、削減に必要な先進国からの支援のあり方を検討すべきだと主張。新興国を含むすべての主要排出国が「ポスト京都」に加わることを求めている。
 具体案は、すでに国連気候変動枠組み条約事務局に提出されており、21日からガーナで行われる作業部会などで議論される。

時事通信

 地球温暖化を抑止し、状況を逆転させる共同の取り組みとして米国21都市が10日、温室効果ガス排出量を測定・開示する計画を発表した。ニューヨーク市やニューオリンズ市などが参加する。 

 同計画では、世界の企業1300社で採用されている、二酸化炭素(CO2)や、その他の温室効果ガスの測定システムを使用する。結果の開示は各都市が自発的に行う。 

「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト」のポール・ディケンソンCEOは、「世界の排出量の70%以上は都市によるもの。これらの排出量を計測しなければ、その管理もできるわけがない」と話す。英ロンドンを拠点とするCDP2000年の設立以来、資産合計57兆ドル(約6251兆円)以上に上る世界の385の機関投資家を代表し、各方面にCO2排出量の開示を迫っている。 

 今回の米21都市のプロジェクトでは、450自治体が温室効果ガスの大幅削減と地域の持続性向上を目指している連合組織「イクレイ(持続可能性をめざす自治体協議会)」とCDPが連携する。 

 21都市はそれぞれ自分たちの管轄下の活動、消防や救急、警察や市庁舎などの施設、ゴミ輸送などの自治体サービスにおけるCO2排出データを集計する。その後、気候変動関連リスクとその都市全体への影響を、CDPのシステムに従って評価し、公開する。1031日までに集計をCDPに提出する予定で、結果は2009年にCDPが初めて発表することになっているCDP都市報告書と、イクレイが発行するローカル・アクション・ネットワーク・リポートでそれぞれ公表される。 

 環境団体らによると世界のトップ企業500社のうち20%以上が自社のCO2排出量の開示を拒んでいるという。一方で、CDPの信頼自体にも、参加企業から提供される使用データを独立機関による検証にまわしていないことなどから、疑問が投げかけられている。

AFP

 英国のコンサルティング会社アイデア・カーボンが、温暖化ガスの排出削減事業について格付けサービスを開始した。第1弾としてブラジル、インド、中国など8カ国の25事業の格付けを公表。最高はインドのガス廃棄物を利用した発電事業のAAで、最低は中国の石炭天然ガス事業のCCCマイナスだった。格付けをするのは先進国が途上国の排出削減事業を支援する見返りに排出枠を得るCDMなど京都議定書に沿ったプロジェクト。期間内に計画したガス排出削減をどの程度達成するかという確率を算出し、AAAからDまで格付けする。

日経新聞

 斉藤鉄夫環境相は2日の就任後初会見にて、温室効果ガスの国内排出量取引の本格導入時期について、2010~11年ごろを念頭に検討する方針を明らかにした。同制度は福田康夫首相が6月に試行方針を発表し、10月に試行が始まるが、本格導入時期は未定のままだった。 

 斉藤環境相は試行期間について「メリット、デメリットが見えるまでに2、3年かかる」と指摘した。既に導入した欧州連合以外に、米国の一部の州やカナダ、豪州などが検討しており、それらの国々での導入が10、11年ごろとした上で、「そういう時期に世界と矛盾しない形で、日本でも施行することを検討させてほしい」と述べた。 

 排出量取引は、企業に温室効果ガスの排出枠を設定し、目標を達成できない場合は排出削減できた企業から排出枠を購入する制度。環境省は05年度から自主参加型の排出量取引制度に取り組み、経済産業省は今年度から中小企業の排出削減を支援する同制度を導入する。政府は10月から、これらを合わせた国内統合市場で試行し、本格導入で必要な条件、制度設計上の課題を検討する。しかし、本格導入には経済界の一部になお慎重論が強い。 

 斉藤環境相はまた、世界全体の温度上昇を産業革命前に比べて2度以内に抑えられるように地球温暖化対策を進めていくべきだとの考えも示した。

毎日新聞

 地球温暖化の要因とされる二酸化炭素の排出量取引で国内の取引価格が急上昇している。原油高を受けて「CO2排出量が多い石炭の消費が世界的に増加する」との観測が強まっているため。価格上昇が続けば、CO2排出量が多く大量買い取りが必要となる企業の収益を圧迫しかねない。

 原因は原油価格の高騰。排出量取引で先行する欧州市場では、「原油に比べて安価だがCO2排出量も多い石炭の消費が増えれば、排出量の買い取り需要が高まる」との観測が広がった。欧州の域内取引価格は7月上旬に1トン当たり29ユーロ(約4900円)前後と2月上旬の19ユーロ前後から急伸し、これが日本にも波及した。

 政府は今秋から統一市場を試験導入する方針で、導入後に価格がさらに上昇する可能性がある。「排出量の取引が活発化し、買い取り需要が膨らむ」と見られているためだ。大手邦銀の担当者は「これまでは欧州の市場動向に左右されてきたが、今後は日本の国内市場が価格をさらに押し上げる要因になりそうだ」と指摘する。

 CO2の排出量が多い電力と鉄鋼の両業界は12年までの5年間で計1億6400万トンの買い取りを想定するが、東京電力柏崎刈羽原発の運転停止などで「2億~3億トンに膨らむ」との見方もある。こうした業界は取引価格高騰で買い取り負担が重くなりかねない。収益への打撃を避けるため、買い取りをできるだけ削減できるよう省エネや再生可能エネルギー開発などの強化が必要になりそうだ。

毎日新聞

 都環境局は25日、二酸化炭素の排出量削減を2010年度から義務付ける大規模事業所への新制度説明会を都庁で開いた。大規模事業所やテナントビルの関係者約900人が参加した。同局の担当者は「制度を正しく理解し、スムーズに対策に取り組んでほしい」と呼びかけた。 

 義務付けの対象は、原油換算で年間1500キロリットル以上のエネルギーを使う約1300事業所。テナントビルの場合は、基本的にオーナーが対象になる。自力で義務量を削減できなければ、余分に削減した事業所からその分を買い取れる排出量取引制度も導入する。

 また、エネルギー使用量が一定規模以上の中小規模事業所に対してはCO2排出量の報告制度が導入される。 

 説明会では、具体的な削減義務率など詳しい内容は都が今年度末までに定め、来春には排出量の算定方法などを改めて説明する日程が示された。参加者からは、「個別協議の場がほしい」「これまで進めてきた削減の取り組みを適正に評価してほしい」--などの意見が出た。同様の説明会は31日、8月1日にも開かれる。

毎日新聞

政府は24日までに、今秋から試行する二酸化炭素の排出量取引制度について、9

月中に制度の詳細を決定、その後参加企業を募集し、早ければ10月中に開始する方

向で具体的作業に入った。 

 今月末に閣議決定する予定の地球温暖化の国内対策を盛り込んだ行動計画にこうし

たスケジュールを書き込む方針。既に制度づくりのために関係省庁の課長級による作

業チームを設置し、近く初会合を開くことを決めている。

 福田康夫首相は6月、日本の新たな温暖化対策「福田ビジョン」で、排出量取引の

国内統合市場を今秋から試行的に実施する方針を表明した。だが、本格導入について

は産業界の反発が強く、時期などは明らかにしていない。 

 環境省は既に2005年度から、自主参加型の排出量取引制度を実施。さらに同省

の検討会は4つの制度案をまとめている。経済産業省の研究会も論点整理をしてお

り、これらを基に政府内で詳細な制度設計を進める。

 

共同通信

 二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を売買する市場を2009年中に開設しようと、東京証券取引所は商社や金融機関が参加する研究会で検討を急いでいる。地球温暖化対策の「切り札」と期待される同取引の市場で「アジアの中心」(斉藤惇社長)の地位を築くのが狙い。
 当面、途上国で温室ガスの削減事業を手掛ける商社などが売り手となって、自社の削減実績に繰り入れたい日本企業などと取引する。政府が今秋から試行開始方針を打ち出した国内企業同士の排出量取引の仲介も、視野に入れている。
 国内の排出量取引は現在、大量に温室ガスを排出する電力会社や商社による直接取引が中心。取引所で売買できるようになれば、価格が透明に形成され、売買手続きも簡素になる。少量の売買をしたい企業が参加しやすく、取引のすそ野が広がるメリットもある。
 投機的な売買が行われ、価格が乱高下する恐れがあるため、東証は値幅制限を導入し、値動きを抑制することを検討。証券会社や商社、電力会社が取引所で直接売買でき、個人投資家の取引は認めない方向だ。
 ただ、京都議定書に定めのない13年以降の新たな国際枠組みの交渉次第では、途上国の排出分を国連が認証する現行制度が変更される可能性もある。
 国内排出量取引の導入には産業界の反発も根強く、東証は情勢を見極めつつ早期の市場創設を目指す。

Fuji Sankei Business i

 経済産業省は26日、2013年以降の温暖化ガス削減の枠組みにあわせて導入を検討している国内排出量取引の制度案を発表した。産業ごとに、「生産量に対する温暖化ガス排出量」といったエネルギー効率の改善指標を定めるのが特徴となる。指標に基づき個々の企業が目標を決め、目標達成に向けて企業間で排出枠を売買する。業界ごとに総排出量の削減目標も定める。目標を達成できない企業や業界には罰則も設ける方向。ただ、省エネを進めても生産量が増えると排出量が増えてしまうと主張する産業界に配慮し、企業が自主的に目標を定める現行の「自主行動計画」を強化する内容にとどめた。規制の色彩が弱まることで、日本の排出削減目標を達成できる仕組みとなるか不透明な面もありそうとのこと。

 [日本経済新聞]

 温室効果ガス削減の国際的枠組み作りにおいて、米国がポスト京都の2013年以降、国別総量目標の設定を容認したことが分かった。途上国として削減義務を負っていなかった中国、インドなど新興国も、排出量の増加抑制で合意し、7月の洞爺湖サミットに向けて、温暖化対策の論議の弾みとなりそうだ。洞爺湖サミット最終日の9日に開かれるMEMで、首脳宣言として発表される予定。
 米国の譲歩で、主要国(G8)が国別の上限を設けて排出量削減に取り組む総量目標設定の必要性で一致したことになる。今後の焦点は、排出量削減をめぐる中・長期目標の設定などに移る。
 政府筋によると、ポスト京都の枠組みについて、中国、インドを含む途上国側が「温室効果ガス排出量の増加を抑制」で合意。これまで国別の総量目標設定に慎重だった米国も、中国やインドが枠組み作りに加わったことを受けて、国別総量目標の設定に反対しない考えを示した。
 日本政府筋は「従来反対していた米国の方針転換の意義は大きい。サミットに向け弾みになる」と評価している。

【 毎日新聞 】

 大規模事業所に二酸化炭素排出量の削減を義務付ける改正環境確保条例案が25日午後の東京都議会本会議で可決・成立した。2010年度から、都内のビルや工場など約1300の事業所に国内で初めてCO2の削減を義務化し、達成できぬ事業所に罰金などを科す。事業所間で削減量を売買する排出量取引制度を導入する。

 05年度実績でみると都内で排出されるCO2の46%は工場やビルなどが発生源で、対象となる1300事業所はこの4割を占める。削減率については09年3月末までに規則で定める。都は「20年度までに15-20%程度を減らす」との目安を示している。

※都の排出量取引制度は義務量を上回って削減した大規模事業所や自主的にCO2を減らした中小の事業所の排出量を、義務量を達成できない大規模事業所に売る仕組み。

[日本経済新聞]

 政府の「地球温暖化問題に関する懇談会」が十六日、提言をまとめた。そこでは焦点となっている温室効果ガスの排出量取引制度導入に向けた首相の積極姿勢が際立つが、本格的導入には高いハードルが待ち受けている。 福田康夫首相が先週公表した福田ビジョンは、排出量取引について「今秋から試行的実施を開始」と明記した。「ポスト京都議定書」の枠組みが始まる二〇一三年からの本格導入を視野に準備を始める、という意味だ。

 これに対し、政府懇談会の提言は、試行的実施の必要性には触れたものの、開始時期は明示していない。慎重意見が根強くある産業界への配慮が背景にあるとみられる。

 一方、自民党地球温暖化対策推進本部の中間報告は「一〇年から準備的運用を開始」。今秋からの試行だけでは準備不十分として、「もう一段階、ルール作りに向けた大規模演習を行うイメージ」(党関係者)という。

 これらのビジョンや提言、中間報告を比較すると、排出量取引導入が「首相の意欲を反映したトップダウン」(政府筋)で、福田ビジョンに盛り込まれたことがよく分かる。

 ただ、ビジョンの「試行的実施」の定義はあいまいだ。

  国内では環境省が自主参加型取引制度を実施しているほか、経済産業省は今秋に中小企業対象の取引制度を導入する予定。試行的実施とはこれらの統合を想定しているとみられるが、ルールは未整備で、両省から「急なことでイメージがわかない」との戸惑いも漏れている。さらに、政府懇談会座長の奥田碩内閣特別顧問は、排出量取引導入を「首相決断として産業界も重く受け止める」としているが、産業界にはなお慎重論が根強く残る。導入されれば、企業には削減負担が重くのしかかるからだ。

 例えば新興国と激しい国際競争を展開する鉄鋼業界の場合、導入に伴う負担増は企業存続にかかわる大問題で、簡単に首を縦に振るわけにはいかない。 

東京新聞

埼玉県は温暖化ガスの排出量削減を本格化する。余剰分と不足分を売買する「排出量取引制度」を導入することを上田清司知事が近く表明し、先行する東京都などと連携する。2012年度までに導入する方針となっている。

日本経済新聞

福田康夫首相は9日夜、東京・内幸町の日本記者クラブで講演し、7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に向けた日本独自の地球温暖化対策を発表した。温室効果ガスの排出枠を売買する排出量取引制度を今年秋に試行的に実施する方針を表明し、二酸化炭素(CO2)削減の中期目標については2020年までの14%削減が可能との試算を示した。
 首相は排出量取引導入に踏み切るとともに、具体的根拠を示した中期目標を掲げ、議長国としてサミットでの主導権を発揮したい考えだ。
 講演で首相は「これまでのやり方や発想を変えなければ、今の時代を乗りきるための本当に望ましい解決策には至らない」と述べ、18世紀後半の産業革命に匹敵する「低炭素革命」を目指すと強調した。排出量取引制度については「いつまでも制度の問題点を洗い出すのに時間と労力を費やすのではなく、より効果的なルールを提案するくらいの積極的な姿勢に転ずるべきだ」と訴えた。

産経新聞

 6日、金融機関が排出量取引に参入できるようになる金融商品取引法改正案が参院本会議にて可決、成立する見通しとなった。それにより、排出量取引市場確立への動きが加速される。東京証券取引所は2009年にも市場を開設する方針だが、制度設計の面で課題も多い。また東証は5月末、排出量取引市場の制度づくりを担う研究会を発足。斉藤惇社長によると、アジア時間帯の中心となる市場を作りたいのこと。

日経新聞

4日、国連の食料サミット専門家会合で、途上国での農地開発や農業生産を国際的な温暖化対策事業に組み入れる案が提唱された。途上国の農業をCDMに組み込んで、先進国からの技術や資金を効果的に呼び込む必要があると訴えた。CDMの枠組なら先進国にもGHG排出量を獲得できる利点がある。現行CDMの対象事業は省エネ化や植林に限定されるが、農地開発が対象に加われば、途上国への投融資が増え、国際社会は中長期的な食料の安定供給が見込める。

日経新聞

 

環境省が5月30日に、排出量取引に関するポータルサイトを開設した。

『 排出量取引インサイト 』

また、サイト内から、「早わかり京都クレジット調達」という冊子もPDF形式でダウンロードできる。

『 早わかり京都クレジット調達 』

民間航空機からのCO2排出量増加のペースがこれまで考えられ
ていたよりも速く、2025年には2000年ごろの2・1-2・6倍になるとの予
測が明らかになった。米国や欧州の専門家らによるもので、25年の総排出
量は現在の日本1国分に匹敵するとのこと。

航空機からのCO2は、国際線からの排出が京都議定書の対象外とされるなど規制
が緩く、国際交渉で規制強化を求める欧州連合(EU)と、消極的な米国などの
意見が対立している。今後は、国際的な規制の導入などを求める声が一層高まりそうだ。

共同通信

ロイターによると、現在取引市場の拡大に伴って、CER市場が拡大を続けているとのこと。

下記のリストは、現在のCER取引のある市場である。

 

EXCHANGE                         COUNTRY       
BlueNext                            France              
Chicago Climate Exchange         U.S.         
Climex                              Netherlands         
EEX                                  Germany         
European Climate Exchange        UK      
Green Exchange                      U.S.          
NCDEX                                          India           
Nord Pool                                    Norway         

 

このCER市場の広がりは、高止まりする原油市場にも関連があると思われるわけだが、先頃の中国における四川大地震などでは、いくつかのCDMプロジェクトが打撃を受け、こちらも市場ファンダメンタルズに影響を与えている。今後は、アメリカのCER市場がどのように展開していくか、Climate Bill の状況にも注視していく必要があるだろう。

Source: Reuters

朝日新聞によると、日本コカコーラが新たに開発した500ml のコーヒー、もしくは炭酸飲料(計360万本)がローソンにおいて購入されると、ローソン・コカコーラの両社が一本につき1キロ分の二酸化炭素の排出枠を購入するという仕組みが7月から始まる。商品の価格は税込みで150円前後になるとみられ、排出枠の取得費用(1キロ3~4円)は価格に上乗せせず、両社の利益によって賄われる。この排出枠は国連によって認可された海外での風力発電事業より調達されて、日本政府の口座に移転される。温暖化防止に関心のある購買層を引き付けるという試みのようだ。

 

Source: 朝日新聞

BBC によると、英国議会は個人向けの排出量取引を支持しているという。また、英国環境監査委員会は、「そのような仕組みは、炭素税などよりもより有効な手段となるだろう」と述べている。大まかな枠組みとしては、「個人に燃料やエネルギーの年間炭素使用量を割り当てて、それを超過したら購入し、以下なら販売ができる」もとのなる。実際の削減効果に加え、この制度は人々に気候変動により積極的に取り組むことを促進し、大きな二酸化炭素排出削減を達成させると、委員会議長、Tim Yeo 氏は言う。しかし、その導入、および、実施コストがきわめて高くつくことが大きな障壁となる。試算によると、その実施コストは、年間で2000億円から4000億円に及ぶとみられる。この実施コストが、英国での個人向け排出量取引導入への当面の障壁となろう。

Source: BBC

26日午前、首相官邸にて「地球温暖化問題に関する懇談会」が開かれ、6月初旬に取りまとめる予定の中間報告において議論したが、日本独自の中長期目標を設定することに異論が相次いだ。なかでも会合では、排出量取引について、「マネーゲームが起きるようなことにしてはならない」といった意見がでた。

産経新聞

日経新聞によると、5月21日 福田首相は排出量取引に関し、「これから5年、10年の間に必要になる。(ガス排出に)価格がつくことで削減する気持ちが起こる」と、川口順子元外相らに話した。今後の焦点は導入時期と制度設計となるわけだが、「びっくりするような提案をするので待っていてほしい」とも語った。

 

20日、経済産業省は温室効果ガスの国内排出量取引制度導入を、「ポスト京都で全主要排出国が削減義務を負うこと」等を条件に、容認する方針を固めた。しかし、インドや中国などは削減義務を負う事には消極的なため、経産省の掲げた条件を満たすことは極めて難しく、実際は、国内排出量取引制度導入に対しての慎重な姿勢はほとんど変わってないとも言うことができる。

朝日新聞

5月15日 環境省の有識者検討会において、温室効果ガス国内排出量取引制度導入のための中間報告がまとめられた。審議内容は主に「排出枠の割り当て方法とその対象」などで、4つの選択肢が提示された。この4案が今後の「排出量取引本格導入」に向けた議論のたたき台となっていく。京都議定書の約束期間内での導入も視野に入っているが、産業界からの反発・生産拠点の海外流出・国際競争力低下・国際市場との整合性など、乗り越えるべき障壁も多い。

ソース: 朝日新聞 

2007年の炭素市場が640億ドル(内500億ドルがEUETSでの取引)に達したことが世界銀行のレポートにて発表された。

そのレポートによると、

炭素市場の拡大にも関わらず、CDMプロジェクトにおける二酸化炭素の排出削減量は、2006年の537MtCO2e から551MtCO2e への微増に留まっている。

これは、京都メカニズムのオフセットマーケットが、現段階では2012年までしか保障されてない事が影響している。

これらの市場を確実のものとする2012年のポスト京都の枠組みがいち早く確立されることが、現在生じている国連のCDMプロジェクトの管理運営上の遅れを解消することにつながるとレポートでは伝えている。

 

Report Download:

State and Trends of the Carbon Market 2008

(The World Bank, May 2008)

日本経済新聞によると、

日本政府は12日、温暖化ガスの国内排出量の削減目標に関して、2020-30年の中期目標の設定は先送りする方針を固めたとのことである。したがって洞爺湖サミット前に公表される、いわゆる「福田ビジョン」では、削減目標が11日に発表された「温暖化ガス削減目標、日本は50年メドに6080%」という『長期目標』に絞られることになる。 

一方、地球温暖化問題に関する有識者懇談会の「政策手法分科会」の初会合が開かれ、国内排出量取引制度などが議論された。しかし、産業界を中心に制度導入への慎重論は依然として根強く、意見調整は難航しそうである。 

(ソース)

日本経済新聞 

       

1月9日20時1分配信 時事通信
ブリヂストン <5108> は9日、海外での温暖化ガス削減策を強化すると発表し
た。発電時の廃熱を有効利用するコージェネレーション(熱併給発電)システ
ムを導入したタイヤ工場は海外では、イタリアのバリとインドネシアのブカシ
の2カ所しかないが、今後は東南アジアなどの工場で積極的に導入していく。

ブリヂストン、クリーン開発メカニズムの取り組みを開始
1月9日17時11分配信 レスポンス
ブリヂストンは2008年度から、京都議定書で導入された「京都メカニズム」を
活用し、先進国から途上国への支援を通じて行うクリーン開発メカニズム
(CDM)にグループ・グローバルで積極的に取り組むと発表した。

CDMは、京都議定書により温室効果ガスの排出削減が義務付けられている先進
国が、発展途上国で温室効果ガス削減プロジェクトを実施し、国連気候変動枠
組条約事務局への登録承認を経て、生じた削減分を先進国が排出権として自国
の目標達成に利用できる制度だ。

同社は、温暖化ガス削減目標として2012年までに1990年度対比6%削減を掲げ
て取り組んでおり、CDMを活用することにより目標達成を目指す。

具体的には、国内タイヤ工場でCO2排出量削減に実績のあるコ・ジェネレーシ
ョンシステムを海外のタイヤ工場へ展開し、これをCDMプロジェクトとして、
温室効果ガス削減と現地の持続可能な発展への貢献を目指す。まず、東南アジ
アなどの工場から進める予定だ。

同社は、事業の中核である「タイヤ」のCO2排出量削減に関し、タイヤライフ
サイクルアセスメントに基づいて取り組んでいる。これまでにも、タイヤのラ
イフサイクルの中で「製品の使用段階」が87%と大半を占めていることから、
車の省燃費化によるCO2排出量削減につながる、転がり抵抗をより低減したタ
イヤの開発を行ってきた。

この「製品の使用段階」だけでなく「生産現場」でも様々な排出削減のための
活動を進めてきたが、今回更なる排出削減を行うため、CDMに取り組む。

《レスポンス 編集部》