2009年8月5日、北京環境取引所にて中国の初のボランタリーなCO2排出削減による排出量取引が成立した。上海天平自動車保険株式有限会社は、北京オリンピックの間に行われていた「グリーンに外出!カーボン道路活動」の中で削減された8,026トンのVERを27.76万元で購入し、中国で初めてVERを購入したことによる「カーボン・オフセット」を実現させた企業となった。
この「グリーンに外出!カーボン道路活動」から生まれるVERは、CANGO(中国国際民間組織協力促進会)とアメリカ合衆国環境保護協会をはじめ、2008年北京オリンピックの開催期間中に呼びかけられた活動によるものである。清華大学交通研究所の審査の上、2008年のオリンピック時に行われていた自動車ナンバープレーによる外出制限(末尾を奇数・偶数にわけ、曜日を制限するもの)の期間中、北京市の100社程の企業・国家機関と8万人余りの住民がこの活動に参加し、合計で8895.06トンの二酸化炭素が削減された。
このVERは2008年12月11日に北京環境取引所にて認定され、正式に売買することができるようになった。中国の初のボランタリーな排出量取引プロジェクトとなる。
北京環境取引所の所長である梅徳文氏によれば、「中国は世界最大のカーボン資源の所有国として、全世界における排出量取引の半分以上の排出削減量が提供できる。中国の企業も巨大な収益を得るチャンスがある。2012年までで、CDMプロジェクトだけみても、中国はカーボン市場において恐らく18億トンの排出削減量を提供できるであろう。もし1トンあたり10ドルの価格で計算すれば、それは180億ドルに達する。この数字にはまだ潜在的な米国の市場が含まれていない。」という。しかしながら、中国のカーボン取引市場発展の潜在能力は巨大でありつつも、取引所の整備、商品の仕組み、価格のメカニズムなどといった面において、先進国と比べまだ大きな格差が存在し、インドと比べてもなお遅れをとっている。今後中国の「カーボンファイナンスマーケット」の創設は避けて通れない。「カーボンファイナンス」を開発するための論点はマーケティングメカニズムの構築にあり、排出量取引の価格メカニズムを理解し、多くの金融機関と企業を「カーボンファイナンスマーケット」設立に引きつけることだと指摘されている。
大臣宣言には二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない自動車の技術などといった先進国のノウハウを生かし、発展途上国の交通分野での環境負荷を軽減することなど、交通分野の温暖化防止に向けた今後の対応策を盛り込む。ただ世界全体のCO2削減ルールを定める「ポスト京都議定書」がまとまっていないため、大臣宣言では交通分野でのCO2削減目標を具体的に明示するところまで踏み込めない見通しだ。
同研究所は、国内の温室効果ガス排出量の大半を占める石油など化石燃料の使用による「エネルギー起源CO2」の排出量を、独自の予測に基づいて推計。
08年度は実質GDP(国内総生産)成長率を前年度比1%減と推定し、CO2排出量は11億7200万トンとなり、過去最大の排出量だった07年度(12億1800万トン)より3・8%減るとした。09年度も景気低迷が続き、実質GDP成長率は前年度比0・9%減と見積もり、CO2排出量は10億9000万トン、07年度より10・5%減ると予測した。
京都議定書では、日本は08~12年度の温室効果ガスの年間排出量を90年度比で平均6%減らさなければならないが、07年度のエネルギー起源CO2排出量は90年度比15%も増えており、同研究所の予測が的中しても、09年度は同2・9%増にとどまる。
京都議定書に続く2013年以降の温室効果ガス排出削減の枠組み作りは、今年12月の交渉期限を控えて国際交渉が大詰めを迎える。先進国が20~30年までにどれだけ減らすかを示す中期目標を相次いで明らかにする中、日本も昨秋、「中期目標検討委員会」(座長・福井俊彦前日銀総裁)を設置して検討を本格化。しかし、高い目標が必要とする「環境派」と、経済活動への影響を心配する「経済派」との意見の隔たりが大きく、着地点は見えていない。
◆対立の構図
先月18日、内閣府地下講堂で開かれた第2回検討委員会。経済産業省所管の財団法人「地球環境産業技術研究機構」の茅陽一
「25~40%」というのは、世界中の科学者でつくる「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が07年、温暖化の影響を低減するための最も厳しいシナリオの一つとして示した「20年までに先進国で1990年比で25~40%削減」の事を指す。茅氏は「IPCCでも詳しく検討されたわけでなく、かなり特殊な条件設定で求められたもの」とも指摘し、25~40%を軸に日本の中期目標を決めることに疑問を呈した。
これに対し、環境省所管の財団法人「地球環境戦略研究機関」の浜中裕徳理事長は「今後の交渉で考慮される可能性が十分ある25~40%を選択肢の検討で考慮すべきだ」と力説した。
最終的に数値目標を決めるのは政府で、委員会の役割は中期目標の選択肢を示すにとどまるため、望ましい数値をずばり指摘する場面はない。しかし、2人の主張の違いは、「25~40%という大幅削減は、上院の同意を得るのが難しい米国の次期枠組みへの参加を困難にしかねない」とする経産省と、「25~40%は科学的知見が求める削減幅」とする環境省との対立の構図と重なる。背景には、エネルギーの安定供給を通じて経済成長を持続させたい経産省と、二酸化炭素(CO2)排出量の多い化石燃料への課税強化などを通じて温暖化対策を進めたい環境省という、両省の立場の違いがある。
結局、この日の議論で各委員が挙げた選択肢は0%から40%まで大きくばらついた。
昨年11月の第1回委員会では、委員から「環境派はより現実的に、エネルギー派(=経済派)はより理想的な形で議論をするという認識の共有化も重要」と、両派の違いを乗り越える必要性を指摘する意見も出ていたが、現時点で折り合えるめどは立っていない。委員会は今後4~5回開催し、削減のための投資費用や経済への影響などについても検討する。
政府が中期目標を設定する時期は未定だが、3月末からドイツ・ボンで開かれる国連の特別作業部会では、先進国全体でどのくらい削減すべきかが議論される。斉藤環境相は「日本がリーダーシップを発揮するための中期目標を作る必要がある」として、「3月末までに何らかの方向性は出す」との考えを示している。
◆京都の反省
今回、中期目標の検討にあたって政府は、委員会の議論や議事録を公開し、国民のアンケートも実施するとした。京都議定書を採択した97年の京都会議に向けた中期目標の策定では、当時の通産省と環境庁など関係省庁が対立し、政府部内で折衝を繰り返したが、「密室協議」との批判を浴びた。政府関係者は「産業界を中心に『京都議定書は、日本だけが厳しい目標をのまされた不平等条約』との批判が依然根強い。今回は出来る限りオープンな形で進める」としている。
しかし、委員会では、目標とする数値達成のためにどんな政策が必要かについてはほとんど議論しておらず、これについて「具体的な打つべき政策と経済効果を示さなければ、中期目標は絵に描いたモチになりかねない」(西岡秀三・国立環境研究所特別客員研究員)との指摘も出た。京都議定書の国際交渉で、日本は6%の削減義務が決まった後、慌てて目標達成のための政策を立てたが、その結果、「関係省庁の予算獲得が目的としか思えない効果の疑わしい政策も目立った」(西岡氏)というのだ。
環境技術に詳しい安井至・国連大学名誉副学長は「数値目標を示す以前に、日本の環境技術を無償提供し、その見返りに排出枠を得られる仕組みの提案など、日本が国益を保つための具体的な交渉カードの準備が重要ではないか。政策なく丸腰で交渉に臨めば、不利な条件の数値を受け入れざるを得なくなる恐れがある」と指摘している。
二酸化炭素回収・貯留(CCS)技術の実証に向けた本格的な調査が年度内に始まる。08年度補正予算に盛り込まれた10億円を活用、石油やエンジニアリング、重機械といった関連産業が参画する見込みだ。日本の沿岸部で適地とみられる4地点を対象とし、CCSプラントの概念設計や各種現地調査に乗り出す。09年度中に技術的な総合評価を行い、実証試験での課題抽出や事業計画素案づくりを目指す。
CCS実証に向けた調査事業は経済産業省が民間へ委託。受託企業が中心となって対象地点を決める。太平洋沿岸、日本海沿岸、北海道沿岸、西日本沿岸の4地域からそれぞれ適地が選ばれる見通し。
調査事業では火力発電所の排ガスから回収したCO2を地中へ埋めるまでの配管敷設調査やCO2分離回収装置の概念設計を行う。調査用井戸を掘削する資機材整備、掘削調査準備、地震探査調査にも取り組む。
それぞれの調査事業を選定した4地点に割り当て、実証試験を視野に入れながら調査を進めていく。参画する企業は決まっていないものの、帝国石油や三菱重工業、日揮などが有望視されている。
CCS技術は温暖化対策に有効な手段だといわれており、09年12月に開かれた国連の気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)でも議題に上った。欧州やオーストラリアなど複数の実証試験が計画されるなど世界で導入機運が高まっている。日本でも、経産省がCCS実証に向けた研究会を立ち上げ、CCSを導入する際の法的枠組みなどについて検討を進めている。
同構想は「緑の経済と社会の変革」をキャッチフレーズに、環境分野に投資する企業に対する無利子融資制度の創設のほか、省エネ家電や電気自動車など次世代自動車の購入を促す施策の拡充、省エネ住宅の新たな普及策などを想定。
街灯など商店街で使う電力に再生可能エネルギーを充てることや、複数の人が1台の車を共同利用する「カーシェアリング」への支援策、自治体庁舎への太陽光発電導入推進策なども検討対象で、具体策の検討に際しては、インターネットなどを通じて国民からアイデアを募る予定。
民主党も同様に地球温暖化対策に関連した産業で約250万人の雇用を目指す「緑の内需」構想の検討を始めている。
国内で2007年度中に、石油や天然ガスを燃やして排出した二酸化炭素(CO2)が、2年ぶりに増えていたことが27日分かった。経済産業省などの集計によると、前年度に比べ2.7%増加した。東京電力が柏崎刈羽原発の運転を停止し、不足分を火力発電で補ったためだ。一方、同年度のエネルギー消費は運輸やオフィスなどで省エネが進んだため、0.7%減と3年連続で減少。省エネの積み重ねを、原発の運転停止で吹き飛ばした。
経産省などは、燃料を燃やして、発電や自動車走行に使うエネルギー起源CO2排出量を集計。07年度の速報値は12億1800万トンで、前年度から約3200万トン増えた。ゴミ焼却などを含む全体のCO2排出量の9割以上を占めるため、07年度の国内全体の排出量が増えるのは避けられない。
火力発電の稼働が増えたことが最大の要因。同年7月の新潟県中越沖地震発生による柏崎刈羽原発の運転停止で約2300万トン、渇水によって水力発電の稼働率が低下した影響で約730万トン、それぞれCO2の排出増につながった。
前年度並みに原発や水力発電が稼働していれば、CO2排出量は0.7%減となるはずだった。これは、07年度のエネルギー消費量の減少率と一致する。
一方、エネルギー消費が減少したのは、原油価格の上昇や自動車の省エネ化などで、運輸部門が1.9%減となったことが大きく、01年度をピークに一貫して減少が続いている。産業部門では、景気が上向いていたため、0.9%増だったが、省エネ化も進んでおり、増加幅は前年度の1.9%増から小さくなった。
08年度は、原油価格の高止まりや景気悪化で、さらにエネルギー消費は減少すると見込まれる。柏崎刈羽原発が運転停止したままでもCO2排出量が減少する可能性もある。ただ、07年度でも京都議定書の基準年度(1990年度)を15.0%上回っている。基準年度比で温室効果ガス6%削減という目標達成には一層の省エネと共に、現在60%台にとどまっている原発稼働率の引き上げがカギを握る。
原案は、日本が主導してまとめた。今後、温暖化がもたらす短期、長期的な悪影響への懸念などを示した上で、京都議定書に続く次期枠組みについて「公平で実効的な枠組み構築が必要」と強調した。産業・部門別に排出削減をめざすセクター別アプローチについては「途上国の排出抑制を進める上でも有効」と評価する内容になっているが、途上国側の理解が広がるか不透明だ。
長期目標について、日本は今年7月の洞爺湖サミットで各国の共有をめざすことで合意したのを踏まえ、目標設定の必要性を訴える方針だが、義務的な削減を警戒するインドなどは既に声明に盛り込むことに難色を示しているという。
一方、声明案は、アジアの主要都市では急速な都市化で大気汚染や水不足、交通渋滞などの環境問題が深刻化しているため、「環境的に持続可能な都市を目指して協力を進める」として、都市問題への取り組みを優先的に進めることを提唱した。廃棄物対策や水資源の有効活用、都市緑化などの分野で地域間協力を進めるほか、大気や水質汚染などの公害対策や公共交通機関の導入など温室効果ガスの排出削減効果が見込める対策にも重点的に取り組んでいくことをうたっている。
会合には、日本や中国、インド、オーストラリア、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加。昨年11月の東アジアサミットで、初めて地球温暖化問題を取り上げた「シンガポール宣言」が採択されたことを受けて、その実現に向けてベトナムが開催を提案。今後、毎年開くことを目指している。
出力15万キロワット以上の火力発電所は国の環境アセスの対象で、CO2排出量も審査項目の一つ。経済産業相が了承する前に環境相が意見を述べる仕組みで、環境相の意見に反する事業が実施された例は過去にない。
12年の稼働を目指して計画している出力計40万キロワットの小名浜火力発電所(仮称、福島県いわき市)についてもこの方針を適用する。
斉藤鉄夫環境相は26日の会見で「排出抑制が大きな課題なのに、国民に受け入れられない」と反対する考えを表明。一方で、排出量を抑制できる「石炭ガス化複合発電(IGCC)」などの新技術を用いれば容認することを示唆した。
環境省は9月中に専門家でつくる検討会を設置。経済産業省と連携し、開示の範囲や内容▽開示する媒体(有価証券報告書、環境報告書など)▽開示の時期--を検討することになった。また、環境省は来年度、企業が実際に炭素会計を作成して機関投資家に開示するモデル事業を実施。投資家の利用法や株価の変動などを検証し、有効な活用法を探る。
商品やサービスの利用に伴う二酸化炭素など温室効果ガス排出量の表示の在り方を検討している環境省の有識者会議は11日、排出量算定や表示の方法について指針を策定する具体的な対象分野を決めた。
日常生活関連では、食品や日用品の購入と廃棄、電気・ガス・水道の使用、交通機関利用などを含む家庭全体の排出が把握出来るようにする。家電製品の買い替えや旅行、イベント開催、オフィス機器のリースなどに伴う排出量の表示も検討する。
排出量算定は、厳密さによって3段階程度に分けることを想定。例えば、排出量が少ない商品やサービスを消費者が選ぶ基準として使うことが期待されるイベントやリースなどの分野の算定には高い厳密さを求める一方、幅広い分野を簡単に算出する必要がある家庭の排出量は、比較的低い厳密さでもよいとする方向で検討する。
今月中にも複数の作業部会で検討を開始し、年度内に指針を策定する。
豪メディアによると、豪政府は16日発表した温暖化対策の草案で、CO2の取引価格が1トン当たり約20豪ドル(約2000円)、一般家庭の負担額は年間約500豪ドル(約5万円)となる見通しを示した。豪政府の温暖化対策は、政府が企業などに排出を認めるキャップを強制的に割り当て、実際の排出量との過不足を企業間でトレードする「キャップ&トレード」方式の導入が柱。2010年の実施を目指している。
政府は14日、ウクライナ政府と温室効果ガス排出枠の政府間購入に向けた覚書に署名した。覚書はハンガリーに続いて2カ国目となる。日本政府は必要量の数十%(二酸化炭素〈CO2〉換算で数千万トン規模)の大量購入を視野に本格交渉に入り、企業間の排出量取引市場の相場にも影響する可能性がある。
日本政府は、京都議定書の第1約束期間(08~12年)の5年間で計1億トン(CO2換算)の排出枠を購入する方針で、ウクライナから購入した枠は、温室効果ガスの削減目標の未達成分に充てる。
覚書では、枠の購入代金の使途を環境対策に限る「グリーン投資スキーム」(GIS)とすることや、日本とウクライナの共同削減事業で排出枠を得る「共同実施」の手続きを定めた。これを受け、政府間で購入量や価格など具体的な交渉に入る。
ウクライナでは、旧ソ連崩壊後の重化学工業の低迷やエネルギー効率の悪い旧式設備の廃棄などで、大量の余剰枠が発生。世界銀行の推計で余剰枠は21.7億トンと日本政府の必要量の20倍以上ある。
経済産業省によると、うち4億トンを当初売却に回すのではないかとみられており、売り出し最低価格も、欧州連合(EU)の域内排出量取引市場の相場の半分、1トン=10ユーロ(1700円)程度との情報がある。
安価で枠が購入できれば日本政府の負担は軽減される。ただ、ロシアや東欧諸国から安価な余剰枠が大量に放出されれば、供給過剰に陥り、あおりでEUの既存の企業向け市場や、日本が今秋に試行する排出量取引市場の価格形成が混乱する恐れもある。
米環境保護局(EPA)は11日、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを既存の大気浄化法で規制するのは不可能だとする通知を発表した。昨年、連邦最高裁に「同法で規制可能だ」と命じられ、具体策を検討してきたが、「同法による規制は経済に悪影響を与える」として断念。ブッシュ政権は、温室効果ガスの半減を打ち出した洞爺湖サミットからわずか数日で、任期中には対策を具体化させないことを宣言した形となる。
通知は、大気浄化法による規制の様々な対策案と、その効果や副作用について検討したもの。EPAは先月の段階で「同法による規制は効果的」との姿勢を示していたが、他省やホワイトハウスが悪影響の深刻さを指摘して猛反発。結局、「すべての指摘に対応しつつ、同法を適用するのは不可能」と判断した。議会に対し「新たな法律を作るべきだ」と求めている。ただ、議会で審議中の温暖化対策法案も、与党共和党が経済への影響を懸念しており、可決の見通しは立っていない。
主要国首脳会議(洞爺湖サミット)は9日、中国やインドなど新興国を交え、地球温暖化問題などを討議した。主要8カ国(G8)を含む16カ国で構成する温暖化ガスの主要排出国会合(MEM)は「排出量削減の世界全体の長期目標を含むビジョンの共有を支持する」との首脳宣言を採択。ただ「2050年の半減」などの具体的な数値や時期は明記せず、今後の国連での交渉に委ねた。サミットは同日午後に議長総括をまとめ、閉幕する。
MEMの首脳宣言では、温暖化ガス排出削減の長期目標について、数値は明示せずに「我々は長期目標を含むビジョンの共有を支持する」と明記。13年以降の排出削減の国際枠組み(ポスト京都議定書)を交渉する国連の場で同目標を「採択することが望ましいと信じる」とも指摘した。
7日開幕の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に参加する各国首脳が6日、会場となる洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺に続々と到着。
議長の福田康夫首相が同日午前に“一番乗り”した後、ブッシュ米大統領が午後、新千歳空港を経由してヘリコプターでホテルに入った。主要8カ国(G8)首脳ではこのほか、カナダのハーパー首相、イタリアのベルルスコーニ首相、ロシアのメドベージェフ大統領が相次いで現地入り。英国のブラウン首相、フランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相は7日朝に到着し、サミットの拡大会合に臨む。
福田康夫首相は6日のブッシュ米大統領との首脳会談で、焦点の地球温暖化対策について、日本が提唱する2050年に世界の温室効果ガスを半減する長期目標の合意に協力を要請した。ブッシュ大統領は温暖化ガスの主要排出国である中国、インドの参加が不可欠と述べたが、サミットの成功に向け「建設的に動きたい」と譲歩の可能性も示唆。主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の開幕を控え、議長国・日本は、温暖化問題で慎重な米国と積極的な欧州各国と最終調整し、一定の前進を示す表現で決着を図る見通しが強まった。
地球温暖化の長期目標をめぐっては、昨年のハイリゲンダムサミット(ドイツ)で、日本の安倍晋三首相(当時)が提唱した「50年半減」案について、G8が「真剣に検討する」ことで一致。福田首相は自国開催のサミットで指導力を発揮し、数値目標に難色を示す米国を説得、どこまで「合意」への進展を示せるかが注目されていた。
会談後、両首脳は共同記者会見し、福田首相が「気候変動は人類が直面するもっとも深刻な問題。サミットに向け、引き続き協力していこうというのが私と大統領の認識だ」と説明。温暖化対策で日米両国が協力していくことで一致したことを明らかにした。
しかし、両者の主張には隔たりがあるのも事実だ。福田首相は「G8に向けて(長期目標で)合意するかは、G8で協議が続けられる」と最後まで合意の可能性を探る決意を示した。
G8で「50年半減」に難色を示してきたのは、ほかならぬ米国。欧州諸国はむしろ「当然」との姿勢で、このサミットに臨んでいる。ブッシュ大統領は会見で「私は現実主義者。中国、インドが共有しなければ、問題は解決しない」と指摘。長期目標の合意には、主要排出国の中印両国の参加が不可欠だとする原則をあらためて強調した。
中国は今や、米国を抜いて世界一のCO2排出国になろうとしている。同様にインドも経済成長に伴い急速に排出量を増やしている。2050年に世界の排出量の6割以上は、中印などの途上国で占められる見通し。「世界半減というなら中印も削減を約束しなければ実効性がない」との米国の主張には道理がある。
ただ、福田首相が「大統領にはサミット議長に対する協力をお願いした。その結果は明後日のG8会合の結論をみてもらいたい」と述べたのに対し、ブッシュ大統領は「首相の指導力に感謝し、米国も何らかの形で建設的な声明を発することができる検討している」と応じた。
首相同行筋は会談後、「長期目標で合意するかはまさにG8で協議中」とし、米欧間で調整が大詰め段階にあることを示唆した。ある政府関係者は「温暖化問題は国連が交渉の場で、サミットは通過点。合意できる範囲で前進させるのが重要だ」と解説する。
8日のG8会合では、昨年の「真剣に検討する」からやや前進した表現で合意する可能性が高そうだ。
産経新聞
BBC によると、英国議会は個人向けの排出量取引を支持しているという。また、英国環境監査委員会は、「そのような仕組みは、炭素税などよりもより有効な手段となるだろう」と述べている。大まかな枠組みとしては、「個人に燃料やエネルギーの年間炭素使用量を割り当てて、それを超過したら購入し、以下なら販売ができる」もとのなる。実際の削減効果に加え、この制度は人々に気候変動により積極的に取り組むことを促進し、大きな二酸化炭素排出削減を達成させると、委員会議長、Tim Yeo 氏は言う。しかし、その導入、および、実施コストがきわめて高くつくことが大きな障壁となる。試算によると、その実施コストは、年間で2000億円から4000億円に及ぶとみられる。この実施コストが、英国での個人向け排出量取引導入への当面の障壁となろう。
Source: BBC