2008年11月

 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量について、2020年時点での主要国別の削減可能量を、経済産業省所管の財団法人「地球環境産業技術研究機構」(RITE)が試算したデータが明らかになった。

 省エネ設備の導入などで1トンあたりの削減に50ドルかけた場合、20年の世界全体の削減可能量の53%が中国・米国・インドに集中。京都議定書(2008~12年)で削減義務を負わないこの3か国が、新たな枠組み作りで削減に取り組む重要性が裏付けられた。国別の具体的な削減可能量が判明するのは初めて。

 試算は、世界を54地域に分け、発電や鉄鋼など産業ごとに省エネ技術導入で削減可能な量を積み上げる「セクター別アプローチ」の手法を採用した。05年時点のエネルギー効率や産業構造が続くと仮定して計算した。

 世界全体の05年の排出量は262億トン。試算では、20年には488億トンに増えるが、1トンあたり50ドルかければ252億トンに抑えられる。国別では、50ドル負担により、中国(05年で51億トン)が113億トンから48億トンに抑制され、削減可能量は65億トンで最も多かった。

 日本の場合、05年は12億トンで20年には17億トンに増えるが、50ドル負担で12億トンに抑えられるという計算。

 部門別では、中国、インドの石炭火力発電の効率化や米国での車の燃費向上の削減効果が大きかった。

 来月のポーランドでの気候変動枠組み条約第14回締約国会議で、13年以降の枠組み交渉が本格化する。同研究機構の秋元圭吾副主席研究員は「世界的な金融危機もあり、費用や効果を無視した議論はあり得ない。どの地域でどんな行動をとれば、どれだけ削減可能か、各国が共通認識を持つ必要がある」と話している。

読売新聞

 オバマ次期米大統領の環境アドバイザーは12日、新政権発足後の早期に新しい対策を打ち出す考えであることを明らかにした。一方、関係者の間では2009年中に米国で排出権取引が開始されるのは難しいとの声も出ている。

 大統領選でオバマ氏のエネルギー・環境アドバイザーを務めたジェイソン・グルメット氏は、ワシントンで開かれた排出量取引の会議にて、ブッシュ政権が温暖化問題にほとんど対処していなかったと指摘。その上で「オバマ氏は気候変動へ迅速に対応する考えだ」と述べた。

 次期エネルギー省長官とも目されるグルメット氏は、具体的な政策については言及しなかったものの、「2009年は非常に忙しい年になるだろう」と語り、新政権がスタートすれば速やかに対策を講じることを示唆。

 米国は、二酸化炭素の削減目標を掲げた京都議定書に、先進国の中で唯一批准していない。同議定書は2012年に失効するが、来年12月にデンマークのコペンハーゲンで、ポスト京都議定書の国際的な合意がなされる予定。しかし、主要な企業に排出量の上限を設定する「キャップ・アンド・トレード」方式の排出量取引が、それ以前に米国で開始するのは難しいという見方もある。

 上院エネルギー委員会のジェフ・ビンガマン委員長(民主党、ニューメキシコ州)は、気候変動に関する法律が制定されるより、代替エネルギー開発やエネルギー効率改善を趣旨とした法律の方が早く制定されるという考えを示す。さらに現在の金融危機によって、議会での審議にも遅れが出る可能性があるとしている。

 また、気候変動に関する非営利団体、ピュー・センターのアイリーン・クローゼン代表は、時間が経てば排出量取引への気運が衰えると危惧。同取引の開始は「10年中がより現実的だろう」と話している。

ロイター

 環境省は12日、2007年度の温室効果ガスの国内排出量(速報値)が13億7100万トンとなり、前年度比2.3%の増加になったと発表した。新潟県中越沖地震の影響で原子力発電所の稼働率が低下し、火力発電で代替したことで二酸化炭素(CO2)の排出量が増えたことが要因で、2年ぶりの増加で排出量は過去最大、京都議定書の基準年(原則1990年度比)からは8.7%上回る。

 日本は、京都議定書の第一約束期間の2008--2012年度の5年間の平均排出量を1990年度の12億6100万トンから6%削減する目標を掲げている。森林吸収対策で3.8%減、京都メカニズムによる排出枠の購入で1.6%減を確保することになっており実質的な削減目標は0.6%で済むが、2007年度の排出量の13億7100万トンと比べれば9.3%の削減量が必要になる計算となり、目標達成は厳しい状況になっている。 

 2007年度の排出量の増加の要因は、地震で原子力発電所の利用が減るとともに渇水で水力発電所の電力量も減ったことで、火力発電所の運転量が増えて電力の排出にあたる原単位(エネルギー効率)が悪化したことが大きい。環境省は、電力業界がエネルギー効率を目標どおりに改善させれば、2007年度の排出量から必要な削減量が1.1%に圧縮されるとの試算も公表した。

日経ビジネス

『中国カーボンバランス取引フレームワーク研究』北京にて発表

2008/11/06

 

 

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115日、中国環境文化促進会と中国発展戦略学研究会社会戦略専門委員会の主催で北京にて『中国カーボンバランス取引フレームワーク研究』セミナーが行われ、『中国カーボンバランス取引フレームワーク研究』が発表された。今回初めて、「カーボン」という定量分析ができる指標を用い、経済活動に対しモニタリング、識別とコントロールを行う概念が提案され、中国では省単位で「Carbon SourceCarbon Sink」取引制度も提案された。環境保護部副部長、中国環境文化促進会会長潘岳氏がセミナーにて、「高炭素モデルは将来の中国の発展を厳しく制約し、「低炭素社会」は中国の「生態文明建設」*1にとっても重要な突破口となる。」と述べた。

 

「グローバルに気候変動に応対する情勢の中、世界規模で経済と社会の発展において、今まさに大きな変革を経験している。」と潘岳さんは語る。低炭素エネルギー技術を発展させ、低炭素経済発展モデル及び低炭素社会の消費モデルを作りあげ、それを経済発展と気候保護の関係と協調することを基本的な方針としている。これは、世界主要国の気候変動に対応する戦略の重点となる部分である。

この大きなバックグラウンドの下で、中国近代化の過程と平和的に発展する道において、気候変動に対応することの戦略的な定位置を明確にしなければならないし、対外的には発展ポテンシャル、対内的には低炭素経済に移行する国際・国内の情勢と協調を確実にすべきである。

  潘岳さんは、低炭素社会への発展の道を歩むためには、制度を作り出すことは保障となると主張した。「中国カーボンバランス取引フレームワーク」は我々が制定している環境経済政策の重要な構成部分であり、わが国の経済発展とエネルギー・環境との調和問題の解決にとっても積極的な現実的意義があり、わが国の低炭素エネルギー技術の発展や、経済発展パターンの転換、省エネ社会の構築を加速させ、大きく促進する役割を果たすのであろう。

 

 潘岳さんは以下のように指摘した。国内にとって、「高炭素モデル」は中国の将来の経済発展を大きく制約する。

 第一に、中国は現在重工業化の段階にあるが、その重工業を支えるのがエネルギーである。国際的なエネルギー資源が頻繁に大幅な値上がりを起こし、我々がエネルギーを獲得する代価も次第に高くなり、依存度も徐々に高くなる一方、逆にリスクに対応する能力が益々下がっている。この状況は既に経済成長の安定性にひどく影響を及ぼしている。

 第二に、金融危機が全世界を巻き込む今、「炭素排出」は先進国の新しい「緑の壁」になりつつあり、中国の伝統的に優位な商品の輸出を制限している。

 第三に、国際社会からみると、「炭素排出」は今後、重要で国際的な戦略的資源になる。昔、争われるものは土地、石油、石炭、鉱石などであるが、将来は「炭素排出権」の争いになるであろう。現在、中国は国際産業における分業システムの産業チェーンの末端にある。資源とエネルギー密集型商品の輸出比率が比較的に高い。わが国のエネルギー消費は世界総量の四分の一、二酸化炭素排出量は総量の五分の一であり、これは本土産業の将来の発展的なポテンシャルを領有する。

 第四に、社会からみると、高い炭素排出とそれに伴うほかの排出は既にひどい環境汚染を引き起こし、深刻な結果をもたらした。多くの社会調査が示したように、環境汚染は、腐敗、貧困の格差拡大と共に、社会的安定に影響する要因の首位にあがった。「炭素排出」は単純な経済問題だけではなく、政治・社会問題にもなった。

 

 党中央は十七回人民代表大会で、初めて「生態文明建設」という科学理念を生み出し、中国の発展に新たな道を示した。生態文明建設は、生産方式と生活方式の根本的な変化にある。この文明の転換を実現するには、科学発展観を確実に持ち、省エネと環境保護を有利にし、長期的で効果的なメカニズムと政策措置の建設を模索するべきである。低炭素経済は生態文明建設の最有力な突破口である。

 

会議で発表した『中国カーボンバランス取引フレームワーク研究』報告は、中科院首席科学者牛文元教授がリードし、一年以上をかけて完成した研究である。

『中国カーボンバランス取引フレームワーク研究』プロジェクトグループは、全国各省(自治区、直轄市)の「Carbon SourceCarbon Sink」のバランス口座を作るのが、「Carbon SourceCarbon Sink」交易制度を行う前提となるのである。

 

プロジェクトグループは、独立した計算方法を制定し、中国31省(自治区、直轄市)のカーボンバランス状況、つまりカーボンソース量とカーボンシンク量について統計分析をする。それと共に、外部利益から溢れた経済利益を利用し、生態保護区にたいして補償を行う。これは、実際、カーボンソースにおける炭素排出のポテンシャルを稀有な資源にして、カーボンシンクにおける炭素吸収能力を収益手段にして、わが国の区域間のカーボンソースとカーボンシンクの持ち量の差を利用し、カーボン資源を有効に交換することを通じて、合理的な価格を形成させ、生態系の利用を無償から有償へと移行させる。プロジェクトグループが提出した先進国の経験を参考にしたあと、比較的合理的なカーボンバランスモデルの構築は、中国カーボン基金制度と中国生態系補償金制度を建設する基礎である。

 

中国のカーボン基金の受け取りと支払いモデルの設計として、もしある省のカーボンソースの総量がカーボンシンク総量より高い場合は、高い分を比率で現金支払いを実施し、中国のカーボン基金管理委員会に直接支払い、委員会はそれをカーボンシンクの貢献が大きい地区の補償に使ったり、国家のCDM計画の促進に使ったり、省エネ技術改良などに使う。逆に、もしある省のカーボンソース総量がカーボンシンク総量より低い場合は、比例する金額に従ってその省に生態補償を実施し、生態保護を激励し、カーボンシンクを増加させる。設計した交易制度によって、雲南、青海とチベットはカーボンシンク補償金をもらえる以外、ほかの省は全部一定の比率でカーボン基金を上納する。

中国生態補償金の受け取りと支払いモデルは、以下の方法を採用する。計算で得られた全国カーボンソースとカーボンシンクの差をベースラインにして、平均値を超えた省は比率に従い生態補償金を支払う。平均値より低い省は比率に従い生態補償金を受け取る。年度受け取った生態補償金は保存されず、その年に受け取りその年に放出する。これは、各省の生態建設、経済構造の調整や消費方式の転換を促進する。

わが国の「カーボンバランス交易」*2を効率的に実施するには、必ず政府の行政管理能力を強化しなければならないし、有力な組織機構を設立することが必要であると、プロジェクトグループが提言した。カーボンバランス交易グループの設立が必要で、カーボン交易の戦略、企画、低炭素経済発展プロジェクトの開発と管理、カーボン交易の執行企画、及び各省がカーボン交易プロセス中の組織、管理、仲裁と監督を協調し、カーボン交易作業は正常に進行することが確保されるべきと専門家が指摘した。

 

 牛文元教授は、課題グループを代表し、セミナーで『中国カーボンバランス取引フレームワーク研究』について紹介した。清華大学の斉曄教授、北京大学の葉文虎教授、国務院発展研究センター研究員周宏春、中科院地理科学と資源研究所研究員岳天祥、中科院システム科学研究所研究員顧基発などの専門家がセミナーに出席した。国家環境マクロ戦略研究課題グループ専門家、環境部原生態司司長ホウ彭近新がセミナーを主宰した。

                                        

(中国環境文化促進会)

 

 

中国環境保護部サイト

http://www.sepa.gov.cn/hjyw08/200811/t20081106_130915.htm

 

 


*1
「生態系文明」

この言葉は最近中国政府から作られた概念で、人類社会が原始文明、農業文明、工業文  明へて移行した新型文明を指す。「生態系文明」が人間と自然の調和発展を行動原則におき、経済、社会、環境の持続可能な発展を実現させるもの。

 

*2「カーボンバランス交易」
炭素排出ポテンシャルを持つ地域と炭素吸収能力を持つ地域を炭素排出のバランスが取れるように交易をさせること

 

 中国の温家宝首相は7日、地球温暖化と戦うために、豊かな国が「持続不可能な生活」をあきらめて深刻化する干ばつや海面上昇に苦しむ貧しい国々をもっと助けなくてはならないとの考えを示した。 温首相はこの日、温室効果ガス削減技術の先進国からの譲渡などに関する会合に出席。 中国は近い将来、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの最大の排出国になるとみられている。しかし、同首相は環境問題では先進国が果たす役割を強調。新華社によると、温首相は「気候変動に対する責務を先進諸国は負っており、自らの持続不可能な生活を改めるべきだ」と指摘。また、世界的に経済は悪化しているが、豊かな国々は中国を含む発展途上国をもっと支援すべきだとしている。

ロイター

 中国と国連が共催する「気候変動に対応するための技術開発とその譲渡に関するハイレベルシンポジウム」が、11月7日から8日にかけて北京で開かれる。開幕式には、中国の温家宝首相が参加し挨拶する予定。このシンポジウムは、中国政府が「国連気候変動枠組条約」と「京都議定書」を実施し、「バリ・ロードマップ」に規定された目標を実現するために、また、国際協力プロセスを推進するために重要なものとされている。

 今回の会議のテーマは「気候変動に対応するための技術革新とその譲渡」。気候変動対応のための技術発展の現状と見通し、技術譲渡のニーズと障害、国際協力ののうえで有効なメカニズムの確立などについて、100カ国近くの政府高官や国際組織の責任者、ビジネス界や学術界の代表が参加する。中国国家発展改革委員会の高広生責任者は、「今回の会議で、中国政府は『国連気候変動枠組み条約』の下で国際的な技術譲渡メカニズムを確立する必要性を主張する。また、『北京宣言』を採択する予定だ」と明らかにした。

CRI

 二酸化炭素排出量売買の取引価格が内外市場で急落している。排出枠市場が最も整備されている欧州の取引価格は7月上旬の最高値に比べ34%下落した。国内で目安になる日経・JBIC排出量取引参考気配は7月中旬の最高値から46%下がった。原油価格の急落によって石油や天然ガスより割安だがCO2の排出量が多い石炭の使用が減少し、欧州の電力会社の排出枠購入が減るとの見方が広がった。

 取引の対象は内外市場とも途上国で温暖化ガスを削減する「クリーン開発メカニズム(CDM)」に基づく国連発行済み排出枠。ロンドンの欧州気候取引所(ECX)では10月31日、2008年12月受け渡し期限の京都クレジット価格は15.05ユーロ。7月7日につけた最高値の22.94ユーロから34%低い。

日本経済新聞

EB43会議について

学都 

科学技術部

20081025

ソース:Clean Development Mechanism in China (原文は中国語)

 

 

  20081020日~24日、EB43会議がチリの首都サンデエゴで開催された。1020日~21日は非公式会議で、22日~24日は公式会議であった。今回の会議では、前回会議でUnder Review されたプロジェクト、VVMDOE委任及び委任手続き、EBの締約国会議への報告、CDMプロジェクトの分布がアンバランスである問題などについて議論された。特にプロジェクトの審査、VVM、締約国会議報告及びCDMプロジェクト分布問題についての討論が非常に困難で時間もかかったため、会議は連日遅くまで続いた。基本的には朝9時から夜10時以降も続き、最後の日は深夜2時までかかりやっとすべての議題を消化した。

 

以下が会議の主な内容及び重要なポイントのまとめである。

 

1.  DOEの委任

 

 前回の会議決定で、委任委員会はDOE委任を簡略化及び加速化するアドバイスを提出した。今回の会議で、委任委員会はEBを満足させるような「委任を加速させるアドバイス」を出していないため、次回の会議で続けてこの法案のドラフトについて討論し完成させ、EB44会議で審議させるように提案した。それと共に、新しいDOEの認定政策が2009年の第一次EB会議後より実施される。この決定により、現在のDOEの新たな認定は現場審査を行わなくてもいい。書類審査だけで、元の認定の範囲がもらえる。新しく申請した機構は、必要な現場審査がなされて資格を得たら、具体的なvalidationができるようになる。この活動は委任委員会の協力で手配してもいい。一旦、実際にvalidationが首尾よく行われて、委任委員会が認定することに同意し、かつEBによって批准されたら、後は全てのvalidation分野のvalidation資格がもらえる。これによりプロセスは大きく短縮できる。14の新しい機構がDOEになる予定であるが、そのうちの二つは中国の機構であるとUNFCCC事務局は予測している。

 会議では、DOEに関する他の事項についても議論が行われた。例えば、DOEの業務の激励と懲罰規制、DOEvalidationを行う期間の制限、EBに決定された現地調査を行うDOE名簿の公開などが議論された。この一連の要求は、DOEEBの決定に従い、正確かつ確実に自らの役割を果たすことを促進するためのものである。

 

2.  VVMについて

 

 今回の会議で二日間を費やしてVVMについて議論し、VVMの内容の申請が終わった。この公文書は非常に長く、その影響力が大きいため、会議ではその内容の整合性、間違いがないか、改善すべきところがあるかなど、更なる確認を行うために、EB委員達に時間を別に確保しておいた。ただ、原則では、既に同意された内容については新らたに議論されななった。次回の会議では、この公文書が正式に批准されることになる。国内CDMの専門家と政府関係者に、特にこのVVMをしっかりと読んで頂きたい。特に、PDDの開発と技術支援、DOEを申請する機構があげられる。このVVMCDM開発、プロジェクトの有効化審査、CERsの検証・認証、CERsの発行に関する基本的な公文書である。

 

3.  プロジェクトの公開手続きの改定

 

EBが多くの関係者から質問されたことがある。それは「あるプロジェクトについて新しい方法論及び旧方法論が適用される時、一部に新しい方法論の内容が使われる。このプロジェクトは既に公開されたが、新たに公開することが必要であるかどうか」という問題である。前回の会議ですでにこの問題について議論し、その結果については私もネット上で公表した。今回の会議でこの規則に対して徹底的に修正・改善が行われた。その規定は以下になる。「もしこのプロジェクトがすでに公開されたら、その方法論が再び公開すべきと要求していない限り、新しい方法論が使われていても、再度公開しなくてよい。また、新バージョン方法論の部分的な内容を利用した旧バージョン方法論の場合、再び公開する必要もない。」この決定のロジックは、公開されるのがプロジェクトであり、方法論ではないということだ。方法論のバージョンが修正されても、プロジェクトに実質的な影響がないため、再び公開する意味がないのである。EBの具体的な内容はEB43次会議レポート第42段落及び付属資料12の第6段落にある。

 

4.  締約国への会議報告

 

EBの締約国への報告は、EBの一年間の業務状況及びEBに業務指導を行うための重要かつ基礎的なものである。EBの各会議報告には、基本的に過去一年間EBが得た重大な業績、さらなる業務計画や予算などが盛り込まれる。しかし、基本的に存在する実際の問題を報告していない。私は、この手法に批判の姿勢を示した。CDM運営システムに重大な問題があるのだ。例えば、プロジェクトの検証・認証はなぜこんなに長いのか?なぜDOE認定はこんなに長いのか?プロジェクトが自動的に登録される比率がこんなに低いのはなぜか?等々である。今CDMシステムは大きな問題を抱えている。しかも、これらの問題はEB自身では解決できない問題である。そうであれば、なぜ締約国会議に報告しないのだろうか。激しく討論した結果、締約国会議にEBが今直面している取り組みを報告し、EBはこれらの取り組みに応対できる活動が既に始まったのだが、締約国会議にも指導や意見を求めている。

 

5.  CDMプロジェクト分布問題

 

 現在、中国、インド、ブラジル、メキシコ、マレーシア、南アフリカ、韓国、インドネシア、チリなどの国が登録済みCDMプロジェクトの多くを占めている。その他の多くの国はまだ一つも登録されたプロジェクトがない。CDMが出始めた時、多くの国はこれこそ資金と技術を獲得するチャンスだと大喜びをし、大きな期待があった。しかし、何年か経って、CDMプロジェクトの影さえ見られなくて、最初の期待は失望に変わり、政治問題にもなった。近年の締約国会議では、アフリカ、後発発展途上国や島嶼国など、どの国もCDMプロジェクトの発展を推進したいと表明した。しかし、CDM自体は市場メカニズムであり、EBは強制的に、ある機構・ある国でCDMプロジェクトを実施させることができない。従って、締約国会議はEBCDMプロジェクト分布問題の解決方法を提出することを要求した。今回の会議でも、EBCDMプロジェクトのバランス的な分布を促進する「技術的な提案」、「開発方法論」、「技術育成」、「先進国にこれらの国のプロジェクトを多く購入することを奨励する」などについて討論した。これらの措置を提出する論点は、今でも登録済みプロジェクトが5つ以下の、アフリカ、後発発展途上国や島嶼国である。

 

6. 我が国のプロジェクトにおける審査の結果

 

(一)     Request for reviewされたプロジェクトに対する審査:

  今回、我が国の12件のプロジェクトが、登録申請した際にRequest for reviewされた。そして審査後、1件のN2Oプロジェクトが登録された。また、4件のプロジェクトが条件付登録になり、この4件のプロジェクトにおける関連のPDD、及びvalidation報告書の再提出が求められることになった。そして、EB報告に基づき、必要な情報、或は証拠を提供しなければならないこととなった。修正されるものが今後審査をパスでき、再審査にならないよう、関連の機関やDOEは要求に従って、関連の書類・証拠を真剣に準備しなければならない。また、7件のプロジェクトが再審査に入ったのは、大変残念なことである。この7件のプロジェクトは、以下三種類に分類できる(1)小規模の水力発電プロジェクト、(2)鋼鉄所での廃熱発電プロジェクト、(3)LNG発電プロジェクト。である。再審査に入った主な問題点は2つあり、私が前回のEB会議レポートで特に論述したが、ここで再び簡単に説明しよう:

 1.ACM0004方法論を応用してベースラインを選ぶ際に、プロジェクト期間内に固定の電力価格しか考慮しなかったことである。固定電気価格を適用するのは合理的か否かを分析することはUnder Reviewにて要求される事柄である。もし将来の電力価格が予測できない場合、その理由を説明しなければならないのだ。回答する際は、価格の歴史的な変化、未来への合理的な予測を分析の上、同時に人件費、インフレ率の変更なども考慮する必要があり、比較分析をするとより合理的である。

2.発電してグリッドに売電するプロジェクト(ACM0002方法論のアプリケーション)にて投資分析の際、プロジェクトライフサイクルの中では、統一の電力価格を採用する。EBはなぜ電力価格の変化を考慮しなくて、固定の電力価格を採用するのかに関しての説明が求めてくる。その主な原因は、グリッド電力価格が上がる場合、プロジェクトIRRはベンチマーク収益率をオーバーする可能性があり、当該プロジェクトは追加性を持たないものがある。回答の時、それが現地の類似する発電の場合、グリッド電力価格の過去数年の歴史変化及び未来への合理的な予測を分析し、それとともに人件費、インフレ率などの変更、IRRがベンチマーク収益率をオーバーするか等を合理的に分析するのだ。

発電プロジェクトは、グリッド電力会社との契約をすでに調印済みで、合意した電力価格が10年または10年以上固定電力価格である場合、このような契約は、固定電力価格を採用するのが合理的な証拠となることを非常に強く証明できる。この契約が無い或は契約が短期で毎年調印する場合、より一層分析、論述する必要がある。私が前回のEB会議レポートで独自の見方、アドバイスを提出した。

EB次回の会議に固定電力価格に関わる投資分析の政策にて、最終の解決方案を作成するのが望まれる。

 

(二)再審査プロジェクトの状況
我が国の20件のプロジェクトが、前回に再審査に入った。その結果は、16件のプロジェクトが条件付の登録、4件のプロジェクトが非常に残念なことに、登録できなかった。登録の際、これらのプロジェクトについて非常に激しい討論がなされた。特に廃熱回収プロジェクトの場合、企業IRRは、投資決定にて証拠とする。当然、数回討論を経て、このプロジェクトは登録を得たのであり、それに関わる類似的な政策問題点が解決された。今後も類似的なプロジェクトは登録申請する際に容易になるであろう。登録できなかった4件のプロジェクトのうちの一つは、山西コークス業界での廃熱プロジェクトであった。このプロジェクトにおけるグリッド電力購入量は、廃熱発電グリッド電力量の10%しか占めない。従って、前回EB会議にて出た意見に基づき、コークス業界でのベンチマーク収益率の適用は投資決定の証拠とならない。中国の発電業界でのベンチマーク収益率は8%か10%を適用され(小規模の水力発電プロジェクトなど)12%ベースラインのデータがない。この4件のプロジェクトには、例外なく、12 %IRRが一切に採用されていて、大量の証拠でベースラインのデータ応用の合理性を証明した。

プロジェクト事業者とDOEからの回答・証拠によると、非常に説得力がある。しかし、多くのEB、秘書、RITメンバーが、中国の発電業界では8%または10%が認められるが、ベンチマークの12%を受け入れることはない。だから、この4件のプロジェクトは、今回に完全に失敗したのである。

続けて強調したい点は、再審査後条件付の登録になるプロジェクトは、回答が要求に合わず、必要な証拠を提出しない場合、最終登録ができない可能性がある。

条件付登録になるプロジェクトは、回答するのに12週間ある。この時間を十分利用して、この問題点を徹底的に検討し、回答を正確に行い、できる範囲で証拠を提供すれば、最終的に登録できるであろう。プロジェクト事業者、DOEが、この唯一の機会を十分に重視、活用する必要がある。同時に特に注意すべき点は、12週間以内に回答しなければならない点だ。期限が切れると諦めたものと見なし、拒否コラムに直接に入れられる。実際に期限内に回答しなかったプロジェクトがあった。EBが現在この規定を再び表明したのだ。

その他、強調したい論点は、プロジェクト事業者とEBとのコミュニケーション・連携を重視すべきであるということだ。DOEの提出する確認報告書はEBの規定に準じなければならない。中国の状況にて、EB38会議に54項目もの要求に関わるものがあり、該当箇所は54(C)項である。DOEが業界知識でこの報告書の数字を分析・対比し、このデータが合理的かどうかを独自に判断する。今回、1件のプロジェクトにて、プロジェクト事業者からの回答が非常に円満なものがあった。しかし、DOE確認報告で非常に専門的ではなく、このプロジェクトはほとんど拒否されたことがあった。DOE検証の水準の問題で、このプロジェクトが拒否されれば大変残念なことである。従って、プロジェクト事業者がDOEとの緊密なコミュニケーションを保つ必要がある。

 

(三)CER発行審査:

我が国の3件のプロジェクトが発行申請した際に再審査されたのは、LINHAIのHFC23、JINAN鋼鉄所、HANDAN鋼鉄所の廃熱回収プロジェクトである。討論を経て、この3のプロジェクトについてのCER発行がスムースに行われた。しかし、正式に発行される前、要求に沿った修正済みの報告書を提出する必要がある。前回再審査に入ったのは、ZEJIANGのHFC23プロジェクト。今回は審査後CER発行がスムースに行われた。最終の発行前、要求に沿った修正済みの報告書を提出する必要もある。

最近、ある友人が言ったのは、多くのプロジェクトにて実際のモニタリング計画が元の計画に準じないものがあるというのだ。ここに、私が再び注意を与えるのは、プロジェクトにて提出し批准されたモニタリング計画、及びモニタリング方法論の要求に準じない場合、不運なのはプロジェクト事業者であり、EBから最大な罰を与えられる可能性があり、排出削減量の発行を拒否されることがある。EBが排出削減を差し引く可能性がある。実施されるVVMを公布する。モニタリング計画のための要求は非常に厳しいものである。モニタリング計画に従うものを実施できない場合、事前Deviationを申請しなければならなく、或は理論上に排出削減量を最も保守的に計算する。そうすれば、プロジェクト事業者が巨大の損失に直面する可能性が高いであろう。