京都議定書に続く2013年以降の温室効果ガス削減体制を協議する国連気候変動枠組み条約の特別作業部会は23日、ガーナの首都アクラでの会議にて、途上国が温暖化の被害防止などに取り組めるよう技術や資金面で支援する新制度創設の検討に乗りだした。
気候変動の影響を強く受ける途上国への資金提供や技術移転を可能にするための新制度については、すでに条約加盟国から提案が相次いでいる。ノルウェーは、二酸化炭素の排出枠を先進国の企業間で競売にかけ、この収入のうち一定割合をプールして被害対策費などにあてる仕組みを提唱。メキシコは、各国の人口、国内総生産、温室効果ガス排出量を組みあわせた指標により、各国に拠出を求める「世界気候変動基金」の創設を提案している。
こうした提案をめぐっては、負担の増加を嫌う先進国や排出量の多い中国などからの抵抗が大きかったが、今回は特別作業部会の下に、「制度設計を含めた技術と資金の(途上国への)確保に関する作業部会」など非公式な交渉の場を設置し、検討を進めることになった。
環境省は9月中に専門家でつくる検討会を設置。経済産業省と連携し、開示の範囲や内容▽開示する媒体(有価証券報告書、環境報告書など)▽開示の時期--を検討することになった。また、環境省は来年度、企業が実際に炭素会計を作成して機関投資家に開示するモデル事業を実施。投資家の利用法や株価の変動などを検証し、有効な活用法を探る。
国務院は11日に「公共機関省エネ条例」を公布し、公的資金を全面的・部分的に使用する国家機関、事業機関、団体機関に対し、エネルギー消費の統計作業の担当責任者を指定し、また、エネルギー消費量測定の基礎データを正確に記録して統計台帳を作成するとともに、毎年3月31日までに各級人民政府の機関事務作業の管理機関に前年度のエネルギー消費状況報告を提出することを義務づけた。条例が10月1日に施行されると、公共機関はエネルギー消費の測定制度を実施し、消費状況をリアルタイムで観測し、浪費があれば迅速に発見して対策を取ることが求められる。
新華社電によると、上海市で5日、中国で初となる二酸化炭素排出権取引所が発足した。実際の取引開始時期は明示されていないが、総額10億7200万元(約170億円)に上る排出削減プロジェクト55件の上場準備ができているという。
政府は15日までに、国際的な地球温暖化対策の次期枠組み(ポスト京都議定書)作りに向け、日本が提唱する産業・部門別に温室効果ガス削減に取り組むセクター別アプローチの具体案をまとめた。途上国に対しては、鉄鋼やセメントなどセクターごとの削減可能量を分析するよう要請するに留め、削減に必要な先進国からの支援のあり方を検討すべきだと主張。新興国を含むすべての主要排出国が「ポスト京都」に加わることを求めている。
具体案は、すでに国連気候変動枠組み条約事務局に提出されており、21日からガーナで行われる作業部会などで議論される。
商品やサービスの利用に伴う二酸化炭素など温室効果ガス排出量の表示の在り方を検討している環境省の有識者会議は11日、排出量算定や表示の方法について指針を策定する具体的な対象分野を決めた。
日常生活関連では、食品や日用品の購入と廃棄、電気・ガス・水道の使用、交通機関利用などを含む家庭全体の排出が把握出来るようにする。家電製品の買い替えや旅行、イベント開催、オフィス機器のリースなどに伴う排出量の表示も検討する。
排出量算定は、厳密さによって3段階程度に分けることを想定。例えば、排出量が少ない商品やサービスを消費者が選ぶ基準として使うことが期待されるイベントやリースなどの分野の算定には高い厳密さを求める一方、幅広い分野を簡単に算出する必要がある家庭の排出量は、比較的低い厳密さでもよいとする方向で検討する。
今月中にも複数の作業部会で検討を開始し、年度内に指針を策定する。
地球温暖化を抑止し、状況を逆転させる共同の取り組みとして米国の21都市が10日、温室効果ガス排出量を測定・開示する計画を発表した。ニューヨーク市やニューオリンズ市などが参加する。
同計画では、世界の企業1300社で採用されている、二酸化炭素(CO2)や、その他の温室効果ガスの測定システムを使用する。結果の開示は各都市が自発的に行う。
「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト」のポール・ディケンソンCEOは、「世界の排出量の70%以上は都市によるもの。これらの排出量を計測しなければ、その管理もできるわけがない」と話す。英ロンドンを拠点とするCDPは2000年の設立以来、資産合計57兆ドル(約6251兆円)以上に上る世界の385の機関投資家を代表し、各方面にCO2排出量の開示を迫っている。
今回の米21都市のプロジェクトでは、450自治体が温室効果ガスの大幅削減と地域の持続性向上を目指している連合組織「イクレイ(持続可能性をめざす自治体協議会)」とCDPが連携する。
21都市はそれぞれ自分たちの管轄下の活動、消防や救急、警察や市庁舎などの施設、ゴミ輸送などの自治体サービスにおけるCO2排出データを集計する。その後、気候変動関連リスクとその都市全体への影響を、CDPのシステムに従って評価し、公開する。10月31日までに集計をCDPに提出する予定で、結果は2009年にCDPが初めて発表することになっているCDP都市報告書と、イクレイが発行するローカル・アクション・ネットワーク・リポートでそれぞれ公表される。
環境団体らによると世界のトップ企業500社のうち20%以上が自社のCO2排出量の開示を拒んでいるという。一方で、CDPの信頼自体にも、参加企業から提供される使用データを独立機関による検証にまわしていないことなどから、疑問が投げかけられている。
英国のコンサルティング会社アイデア・カーボンが、温暖化ガスの排出削減事業について格付けサービスを開始した。第1弾としてブラジル、インド、中国など8カ国の25事業の格付けを公表。最高はインドのガス廃棄物を利用した発電事業のAAで、最低は中国の石炭天然ガス事業のCCCマイナスだった。格付けをするのは先進国が途上国の排出削減事業を支援する見返りに排出枠を得るCDMなど京都議定書に沿ったプロジェクト。期間内に計画したガス排出削減をどの程度達成するかという確率を算出し、AAAからDまで格付けする。
中国国務院は2日、国内各地方の政府機関などに対し、燃料節約と節電、省エネ・省資源の対策を求める通知を出した。燃費の悪い自動車の使用停止や火力発電所の設備の見直し、クールビズの推進や家庭でのエアコン使用の抑制といった対策を示し、国を挙げて取り組む必要性を強調、早急な対応を求めているとのこと。
「北京環境取引所」が5日、北京の金融大街で正式にオープンした。「上海環境エネルギー取引所」も同日、上海で正式に業務を開始したと「国際金融報」が伝えた。
「京都議定書」が05年2月16日に発効して以来、温室ガスの排出枠は取引の対象となった。世界銀行の推計によると、08年から12年までの世界の「炭素取引」の需要量は7億~13億トンに達し、取引額は年間140億~650億ドルとなる。そのうち中国は3分の1の排出枠の提供元となり、取引額は150億ドルを超えるとみられる。
中国は現在、世界最大の排出枠取引国となっており、排出枠の購入に訪れる海外の投資ファンドも増えている。中国国内の炭素取引市場では現在、海外の買い手が中国側の売り手企業と直接話し合いを行うのが普通で、長期的な契約や低価格での買い取りがなされるケースが多い。取引の不透明性や情報の非対称性などにより、中国側の立場が弱く、取引価格が国際価格とかけ離れている現状だ。欧州市場での炭素取引価格が1トン25ユーロなのに対し、中国での海外企業の購入価格は1トン5~10ユーロに過ぎない。
さらに一部の先進国に設けられた炭素取引所も、中国に進出し始めている。例えば、シカゴ気候取引所はすでに、4つのメンバー機構を中国に持っている。中国が一刻も早く排出枠取引所を設けなければ、炭素取引における価格決定権を喪失し、国際競争のなかで受動的な立場に立たされる状況だった。
中国は「京都議定書」の締結国の1つだが、発展途上国であるために、排出量の強制削減の対象にはなっていない。ただ業界関係者によると、世界と国内の状況から考えて、中国も最終的には排出量の強制削減対象となる見込みだ。中国企業がこのような大きな変化に適応するためには、クッションとなる市場メカニズムが必要となる。「環境取引所」の建設はこの需要を満たすものとなった。
国家クリーンエネルギー実験室の建設が中国科学院大連化学物理研究所内で着工した。同分野における国内初の国家級の実験室となる。実験室の建物面積は3万8000平方メートルを予定。試生産ラインや会議室などを設置する。投資総額は15億元に上り、2009年の完成を見込む。
斉藤鉄夫環境相は2日の就任後初会見にて、温室効果ガスの国内排出量取引の本格導入時期について、2010~11年ごろを念頭に検討する方針を明らかにした。同制度は福田康夫首相が6月に試行方針を発表し、10月に試行が始まるが、本格導入時期は未定のままだった。
斉藤環境相は試行期間について「メリット、デメリットが見えるまでに2、3年かかる」と指摘した。既に導入した欧州連合以外に、米国の一部の州やカナダ、豪州などが検討しており、それらの国々での導入が10、11年ごろとした上で、「そういう時期に世界と矛盾しない形で、日本でも施行することを検討させてほしい」と述べた。
排出量取引は、企業に温室効果ガスの排出枠を設定し、目標を達成できない場合は排出削減できた企業から排出枠を購入する制度。環境省は05年度から自主参加型の排出量取引制度に取り組み、経済産業省は今年度から中小企業の排出削減を支援する同制度を導入する。政府は10月から、これらを合わせた国内統合市場で試行し、本格導入で必要な条件、制度設計上の課題を検討する。しかし、本格導入には経済界の一部になお慎重論が強い。
斉藤環境相はまた、世界全体の温度上昇を産業革命前に比べて2度以内に抑えられるように地球温暖化対策を進めていくべきだとの考えも示した。